不動産投資は物件選びも重要なものですが、良い物件であればどこに建っていても必ず成功するというものではありません。どれだけ良い物件であろうとも、その物件が建っているエリアによっては全く入居者が見つからず、空室が続いてしまう、ということも考えられるでしょう。その一方で、投資物件としてはやや条件が悪くても、エリア次第では十分な収益が出せていると言うことも実はめずらしいことではありません。
つまり、物件選び以上にエリア選びは慎重になるべきとも言えるのです。

そこで今回は、どのような条件でエリア選びをすればよいのかその基準について考えてみましょう。



目次
1. 数年先を見据えて検討する
2. アクセス環境を重視する
3. ランキングを参考にする
4. 自分視点で想定してみる
5. まとめ

1. 数年先を見据えて検討する


東京都内で賃貸物件利用者のほとんどは、同じ都内の会社や店舗などに勤めています。そのような人々が物件を探すのであれば、「駅から徒歩圏内」、「職場まで数駅」、「周囲に商業施設が整っている」、「複数路線利用可能」、「治安に問題がない」などが主に条件に挙げられることでしょう。
これを基にすると、

・ビジネス街に近い
・商業施設が整っている
・ターミナル駅近く、もしくは複数路線利用できる
・治安と生活環境が良い

このようなエリアは、安定的な入居者が見込める有望なエリアと言えます。その上で、新しい駅の開業や、大型商業施設の建設、またそれに伴った再開発が予定されているのであれば、今現在はそれほどではないとしても将来的には人口増加することが予想できるでしょう。不動産投資として賃貸物件を経営するのであれば、その物件があるエリアとは数年から長ければ数十年単位での付き合いになります。街の再開発はもちろんですが、企業の動きやそれに伴った雇用の変化も注視しなくてはなりません。
そのため、今現在の街の状況だけで判断はせずに、これから長い時間をかけてどのような人の動きがあるか見据える必要があるのです。




2. アクセス環境を重視する


賃貸物件の条件に、「アクセス環境の良さ」を最重視する人が非常に多くなっています。特にワンルームマンションの場合だと単身者向けであることから、顕著になるのは当然のことかもしれません。
東京都心のエリアであれば、地上だけでなく地下にも網目のように路線が広がっているため、それほど苦労することなく駅から徒歩10分圏内に物件を収めることは可能でしょう。そこからさらに巨大ターミナルまで数駅であったり、複数路線を利用できるような立地であれば、賃貸需要も非常に強くなります。
もちろんそのような物件は流動性の高さも魅力であることから、出口戦略を考える上でも有利になると言えるのです。


3. ランキングを参考にする


「住みたい街ランキング」や「買って住みたい街ランキング」、「本当に住みやすい街大賞」など、毎年様々なサイトでランキングが公開されています。とはいえ、ランキング上位に入っているエリアの物件をそのまま購入すればよいということでありません。こういったランキングからは、“人気が出た理由”や“人気が出やすい傾向”をはじめ、その年の特徴や人々の考え方の変化などが表れています。それを読み取ることによってニーズの動向などを知ることができ、購入エリアの参考にすることが可能となるのです。
こういったランキングは過去のものも見れますので、有名エリアの人気の出たタイミングや人気が安定しやすい街なども確認することができるでしょう。




4. 自分視点で想定してみる


不動産投資用の物件はあくまでも“投資用”であり、「自分がいずれそこに住むこと」ということを前提としないほうが良いとされています。ですが、利回りや出口戦略だけを考えた“買主”目線のみで物件を決めるべきというわけではありません。特に初心者が陥りがちなのは「担当者に勧められたまま購入を決めてしまう」こと。何も考えずにセールストークに乗せられてしまった場合、多少の問題は気にしなくなってしまうことも珍しくないのです。

それらを防ぐために重要なのは、“借主”の目線になること。自分が引っ越すとしたら本当にそのエリアに住みたいか、メインとなる路線やターミナル駅までの駅数、駅からの距離、買い物を含めた周囲環境などから、物件の築年数、設備、家賃の額までを意識して考えてみることで、本当にその物件を買うべきかどうかが見えてくるではずです。


5. まとめ


不動産投資は紛れもなく“投資”であり、もちろん成功だけでなく失敗もあるものです。さらに不動産という性質上、場所移動はできないものであり、数年から数十年という期間で行う長期投資でもあります。「とりあえず」や「なんとなく」で購入して簡単に成功に手が届くものではありません。
購入基準や条件が多すぎると、スタートラインに立つこともできずに焦ることもあるかもしれないでしょう。ですが、失敗のリスクをできるだけ回避して大切な資産を守ることができるのは、間違いなく自分だけであることに違いないのです。不動産投資を始めるのであればぜひ、自分でしっかりと納得することができる物件を探し出してください。

小雪