マンション賃貸経営をする上で、避けて通れないのは空室リスクと入居者問題です。
そのようなトラブルから物件のオーナーを助け、サポートしてくれるシステムとして“家賃保証”、“サブリース(一括借り上げ”、“空室保証”の3つが存在していますが、それぞれどのような特徴があり、注意点が存在しているのでしょうか。

目次
1. 家賃債務保証とは?
2. サブリース(一括借り上げ)とは?
3. 空室保証とは?
4. マンション経営に発生しがちなリスクとトラブル
5. 保証を上手に活用する

1. 家賃債務保証とは?


簡単に言えばオーナーが入居希望者に貸しやすく、入居希望者は賃貸物件を借りやすくする制度です。
賃貸契約を終結する際に入居希望者が連帯保証人を立てますが、近年は家族関係の高齢化や希薄化が進み、保証人になることを頼めないまたは頼みたくないという方が増加しています。しかしオーナー側から見ると、連帯保証人は家賃滞納などが発生した際の命綱となるものですから、これを立ててもらわないわけにはいきません。
そのような両者のために存在しているのがこの“家賃債務保証”です。保証人を身内などから立てる代わりに家賃保証会社に依頼することで、通常の連帯保証人に近い役割を果たしてもらうことができます。入居希望者側としても保証人を探すという手間がなくなりますし、もし契約期間中に家賃の滞納が発生した際には保証会社に立て替えてもらえるので、オーナー側も安心して貸すことが可能なのです。
もちろん多くの家賃保証会社がある上、同じ保証会社でも保証してもらえる内容の上限や範囲、入居者の審査などに違いがあります。そのためオーナーとして保証会社を選ぶ際には、その点に注意して慎重に選んだほうが良いでしょう。


2. サブリース(一括借り上げ)とは?


オーナーが所有しているマンションをまるごと不動産管理会社が借り、その部屋を入居希望者に又貸しする契約です。通常の賃貸契約はオーナーと入居者のみで行うものですが、このサブリース契約を結ぶとオーナーと入居者の間に不動産会社が立つ形となります。

賃貸マンション経営をするにあたって、最も避けたいのは「空室で家賃収入がゼロ」になることでしょう。この入居者が見つからない“空室リスク”と呼ばれるものが特に問題になりやすく、このリスクはできるだけ軽減したいものです。経営に慣れているのであれば対策方法なども熟知しているでしょうからある程度の対応は可能でしょうが、経営初心者は経験不足から後手後手に回りやすく、最終的に赤字経営に繋がりやすくなっています。
サブリースはそのようなオーナーのためにあるようなシステムで、賃貸物件を借り上げた不動産管理会社がオーナーに変わって入居者の募集から物件の管理、家賃の徴収、退去の手続きまで代行をしてくれるのです。さらに、サブリース最大のメリットは、「空室でも賃料を受け取れること」。オーナーが所持している賃貸マンションを不動産管理会社が借りている状態なのですから、その物件に入居者がいてもいなくても問題なく収入を得ることが可能です。
サブリースを扱っている不動産管理会社によっては、管理や清掃、住民のトラブル対応、様々な手続きの代行まで行っている場所もありますので、投資初心者だけでなく時間や体力がない方や、マンション経営したいけれど管理はしたくないというようなオーナーにはまさにぴったりなサービスと言えるでしょう。

夢のようなシステムではあるのですが、注意しなくてはならない点はいくつか存在しています。
不動産管理会社を間に挟んでいることになりますから、家賃がそのままオーナー側に入ってくることはありません。およそ7割、多くても9割ほどしか受け取ることができず、残りは不動産管理会社の取り分となります。また、空室が多く収益が得られないと判断された物件は、そもそもサブリース契約をすることはできません。さらに家賃保証があるとはいえずっと同じ金額が保証されるわけではなく、数年ごとに見直され減額される可能性があることも覚えておきましょう。


3. 空室保証とは?


保証料として毎月固定額支払うことによって、入居希望者が見つからずに空室が発生した場合でもその分の家賃を一定額保証するサービスです。
「空室でも家賃は保証してくれる」という点ではサブリース契約と形態的に似たような印象を受けますが、実際には大分違っています。こちらはあくまでも“空室でなければ受け取れるはずだった家賃をある程度(80~90%)受け取れる”もので、入居者がいる場合は家賃はそのままオーナーの収入となります。サブリースとは違って賃貸物件そのものもオーナーの管理下にありますので、入居者の募集や管理などの清掃はそれぞれオーナーが行います。
入居者がいれば家賃は順調に入りますし、たとえ空室になったとしても家賃は保証されていますから、ローンなどの返済に困ることがないのです。


4. マンション経営に発生しがちなリスクとトラブル


賃貸物件の入居者は人間ですから、入学や就職、転勤、転職、結婚、出産など様々な理由で引っ越してきますし、また同じような理由で退去をしていくもの。それらは避けようがないものですし、ある意味仕方のないことです。

そして、すべての理由が「避けようのないもの」ではないことも事実です。
例えばオーナー側がある程度対策をすることで、退去を防ぐことが出来るものもあるかもしれませんし、たとえ防げなかったとしても次の入居者が同じような理由で退去することもなくなるでしょう。そのように満足度を上げることが出来れば、物件としての価値の上昇にも繋げられるかもしれません。

しかし対策できるものならばまだ良いのですが、中には対処も対策もできない内容で退去していく住民も存在しています。賃貸物件のオーナーをするのであれば、このようなリスクは必ずいつかは直面すると理解しておく必要があるでしょう。
その中でも主な退去理由はこちらです。

●住民間トラブル
マンションは近隣との距離がかなり近いため、住民同士のトラブルに発展しやすくなっています。

その中でも最も身近なものは、やはり騒音トラブルでしょう。
年齢や生活時間帯が違う人々が集合住宅に住んでいるため、それぞれ“普通”も違っています。ある住民はこれから寝ようと思っていても、ある住民は帰宅したばかりでテレビを見ようとしているかもしれませんし、掃除や洗濯をしようとしているかもしれません。その人にとって“普通”に生活しているだけなのに、煩くて寝たくても眠れなかったり、逆に煩いと苦情を言われたりなどしてトラブルになることは残念ながらとても多いです。
壁や床が厚くても振動などで伝わりやすくなっています。こちらは気をつけているつもりでも、騒音が気になる方はとことん気になり、中にはノイローゼにまで追い込まれてしまう方もいるほどです。

騒音以外のトラブルでは、駐車に関するマナーやゴミ出しルール、共用部分の専有化、ペット飼育のマナー、喫煙など匂いの問題など、かなり多いのが現状。賃貸は“気軽に引っ越しが可能”であることがメリットでもあるため、解決のために努力をするより「気に入らなければ引っ越そう」と考えてしまうのは仕方のないことなのでしょう。

●引っ越すことが好き
頻繁に引っ越しをする方は多く存在しています。
飽きたから、気分転換、環境のリセット、新たな刺激を求めてなど、特に深刻な理由がないケースがほとんどで、引っ越しが趣味と言う方もいるほど。そのような住民は1年や2年ごとにある部屋の更新時期に退去していくことが多く、特に更新料の支払いが必要である場合はさらに退去する確率もあがるようです。
引っ越しはたくさんの手続きや経済的負担、労力が必要になるものですが、このような人々はそれらを含めて楽しんでいることがほとんどなため、オーナー側にできることはほとんどありません。入居前に見極める手段も方法もないため、回避することはまずできないでしょう。


5. 保証を上手に活用する


賃貸マンションのオーナーをしていく限りは、住民トラブルや空室リスクを避けて通ることは不可能です。どれだけ経験を重ねても、対策を取っても、完全に回避することはほぼできません。そのため回避することを考えるのではなく、最初からトラブルやリスクは“ある”事を想定しできるだけ損害を低く、ダメージを軽くすることが大切なのです。

たとえば空室保証であれば、たとえ空室が発生したとしても最低限の収入は確保できます。保険料の支払いはもちろん必要ですが、空室でなければ満額の家賃が入るのです。家賃収入が約束されていれば空室があってもオーナー側に心の余裕でき、新たな入居希望者をゆったりと待つことが可能でしょう。慌てるあまりトラブルを生みそうな希望者を迎え入れてしまう危険も無くなるかもしれないのです。
これらの保証をよく見極めたうえで上手く活用していきましょう。