不動産投資を始める第一歩として、「ワンルーム投資」を検討中の方も多いと思いのではないでしょうか。
規模が小さく、手間がそれほどかからないことからサラリーマンを中心に人気がある投資方法ですが、「本当にメリットがあるのか」、「今からはじめても遅いのでは」、「需要はこの先もあるのだろうか」など、不安が残りなかなか踏み出しにくくなっているかもしれません。

ここでは、ワンルーム投資と他の不動産投資との違いや、得られるメリットから予測できるリスクなど、始めるまでに必ず知っておきたい基本知識を紹介します。

目次
1. ワンルーム投資と他の主な不動産投資の違うポイント
2. レバレッジ効果とリスクを考慮する

1. ワンルーム投資と他の主な不動産投資の違うポイント


ワンルーム投資とは、ワンルームマンションを購入して区分所有し、それを第三者に貸し出すことで収益を得る投資になります。基本的に単身者をターゲットにしており、広さも18~25㎡とコンパクトなものが多いことも特徴です。立地によっては価格帯に差があるものの不動産投資の初期投資額としては比較的ハードルが低く、取り組みやすいレベルといえるでしょう。

■一棟マンション投資との違い
一棟マンション投資は、マンション丸ごと一棟購入し、各部屋をそれぞれ賃貸として貸し出して収益を得る投資です。部屋数が多くなるだけではなく、投資対象が土地を含めたものになるため、その分投資規模も大きなものになります。

ワンルーム投資との最大の違いは、なんといってもやはり投資額です。2000万円前後で購入できる物件も多く存在しているワンルーム投資と比べ、東京都内で一棟マンション投資を始めるのであれば最低でも1億円以上の自己資金を用意する必要があります。
もちろんローンを利用することも可能ではあるのですが、その負担も巨大なものになるのは違いありません。

例えば1億円の融資を、返済期間が35年、金利が2%で受けたケースで考えてみましょう。
この条件の場合ですと、返済総額は1億4,000円近くになり、月々の返済額は30万円以上になります。
別の投資から得られる利益で返済が可能ならば何の問題もないかもしれませんが、一般的なサラリーマンや初心者が簡単に始められる投資とは言いにくいでしょう。

投資額だけではなく、維持管理費が多額になりやすい事、手間も多くなることも挙げられます。
ワンルーム投資では修繕維持費や管理費を毎月支払う必要はあるものの、管理自体は区分所有している部屋のみが修理などの責任範囲ですが、一棟マンション投資ではエントランスや外装など敷地内のほとんどが責任範囲になるからです。
どちらのケースでも管理会社へ維持管理を委託することもできますが、規模が大きいほど費用が必要になります。

一棟マンション投資は成功すればリターンは大きいものの、失敗したときのリスクもその分大きくなります。その上、ある程度以上の専門知識も必須になるため、初心者には少し難しい投資方法になります。

■アパート投資との違い
アパート投資も一棟マンション投資と同じく、アパート一棟を土地ごと購入し、各部屋を賃貸として貸し出すことで家賃収入を得る投資です。ワンルーム投資と比べると、規模が大きくなる分初投資額は高額になりやすくなっています。

一棟マンション投資の規模を全体的に小さくしたようなイメージですが、アパートは木造(W造)や軽量鉄骨造で建てられることが多く、家賃相場はやや控えめ。鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)や鉄筋コンクリート造(RC造)で建てられるマンションより建築費自体は抑えられますが、耐久性がやや劣り、建物の寿命も短い傾向になっています。ワンルーム投資でも所有しているものはマンションですから、長く所有するという点で考えるとアパート投資より有利と言えるでしょう。

アパート投資は新築と言う選択肢を選びやすいというメリットもありますが、維持管理の面から考えるとこちらも初心者向けとは言いづらく、ある程度の経験者向けになります。

■戸建投資との違い
500万円以下のものから1億を超えるものまで初期投資額に幅があるのも戸建投資の特徴になります。中古戸建であれば比較的低予算で開始することが出来るのですが、主に多く扱われる物件はワンルーム投資と同水準~2倍ほどのもの価格帯がメインになっています。

ワンルーム投資との大きな違いは、戸建投資は家族、つまりファミリー世帯をターゲットにしているところです。
ファミリー世帯は、子供への影響を考え引っ越しの頻度が少ないことが特徴で、一度入居すると長期に渡って住み続けるケースがほとんどとなっています。その分長期にわたって安定した収入を得られ、また入退去時のリフォーム回数も抑えられることがメリットなのですが、“引っ越しの頻度が少ない”ということは一度空室になった場合、新たな入居希望者が見つかるまで時間がかかる傾向にあるようです。
住人がいなければもちろん家賃収入を得ることもできませんので、ローンが残っていた場合は赤字になってしまうことも考えられます。そのため、住民の退去が発覚した時点で早めに新たな入居者を得るために動くことが必須となるでしょう。


一棟マンション、アパート、戸建、そしてもちろんワンルームでもメリットやデメリットは存在しているものですが、比較をしてみると規模・管理・費用・リスク・手間など様々な角度から考えても、ワンルーム投資は比較的難易度が低く、初心者に向いていることがわかります。


2.レバレッジ効果とリスクを考慮する


不動産投資を始める際、その初期投資となる物件の購入費用を金融機関から借り入れるというケースが大半となっています。しかし「ローン=借金」と良くない方向に捉える方は非常に多く、特に日本人は借金をするということ自体に強いマイナスイメージを持っていることも少なくありません。そのため、「借金をしてまで不動産投資をはじめるのは・・・」と後ろ向きになっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに、お金を借りていることに間違いはありませんし、やみくもに借金をするという行為は進められるものではありません。ですが、不動産投資において「ローンを利用する行為」はある意味必要なものでもあり、すべて悪いものと切り捨ててしまうことは早計になります。

不動産投資をはじめ、投資をするのであれば“レバレッジ(leverage)”という言葉を誰もが一度は耳にすると思います。
レバレッジは、直訳すれば「てこ」または「てこの原理」です。てこの原理は、小さな力で大きなものを動かすこと。例えば、栓抜きや缶のプルトップなどはてこの原理が利用されており、それほど力を必要とせずとも容易に硬い蓋を開けることが可能となっているでしょう。
不動産投資におけるレバレッジ効果は、“融資”を使うことにあたります。自己資金だけでは購入出来ない物件も融資を受けることで買うことが可能となり、その分の大きな利益を得ることが出来ることになるからです。

ここで自己資金200万円、利回り6%の物件があると仮定し、融資を受けない(レバレッジをかけない)例と、融資を受けた(レバレッジをかけた)例を比較してみましょう。

●融資を受けないケース
融資を受けないということはすべて手持ちの現金で不動産を購入するという事になります。自己資金は200万円ですから、この場合200万円の物件を購入することになります。
200万円の物件で、利回り6%ですと、

200万円×6%=12万円(年間利益)

となり、利益は12万円です。
ローンの支払いもありませんからこのまま12万円が手元に残ることになり、このケースの場合は実質収益は12万円という事がわかります。

●融資を受けたケース
自己資金200万円に1,800万円の融資を受け、計2,000万円の物件を購入したケースで考えてみましょう。
なお金利は2%、返済期間は35年と設定します。

2,000万円×6%=120万円(年間利益)

となり、利益は120万円です。
ローンの返済額は年71万5,524円。これを120万円から引いた48万4,476円が実質収益となるのです。

実際には経費や税金などがかかるため、どちらも手取り額はここから減少しますが、融資を受けたケースのほうが金融機関への返済はもちろんあるものの、融資を受けないケースよりも利益が多いという結果になりました。
同じ初期投資額200万円であっても、生み出される利益(12万円と48万円)に差が出ることがわかりましたでしょうか。

もちろん、融資を受けられるだけ受けたほうが良いという事ではありません。レバレッジを多くかけるほど、損失を受けた際の額が大きくなる可能性があるからです。
空室が続き赤字経営に陥ったとしても返済が滞りなく行えるように予め現金を確保しておいたり、ワンルーム投資であれば複数の部屋を所持し必要最低限の収益が得られるよう配慮しておく、または不動産価値が安定しているエリアや物件を選ぶなど、“ローンを組むという行為”自体にもリスクがあるという事も覚悟し、その対策を行っておくことは必須です。


後編ではこれからのワンルーム投資の見通しや、メリット・リスクなどをご説明します