不動産投資をしているのであれば、毎年固定資産税の支払い義務が発生します。固定資産税は居住用・投資用、マンション・戸建などを問わず、資産として“不動産を所有”している限りは毎年支払う必要があるのです。この固定資産税は確定申告時に経費として計上はできるものの、やはり軽視できない支出のひとつでしょう。
実は少しだけではありますが、その負担を少しでも軽くする方法が存在しているのです。今回は、その支払い方法をご紹介します。



目次
1. 基本の納付方法
2. クレジットカード払い
3. 電子マネー決済
4. LINE Pay決済
5. 延滞に気を付けること

1. 基本の納付方法


そもそも固定資産税とは、土地や建物を所有している人に課せられる地方税です。不動産投資においては、マンションやアパート、一戸建てなどといった物件だけではなく、貸倉庫や賃貸駐車場なども土地を所有していることになりますので納税の義務が発生します。一棟マンション所有であればマンション建物全体と、そのマンションが建っている土地すべての固定資産税を支払うことになり、区分マンション所有であれば占有している1部屋分と、共用や土地の部分は他の区分所有者と分けて支払う形になります。

この固定資産税の納付額は4月から6月の間に通知書が送付されますので、そちらで確認することが可能となります。年4回の分割納付が基本的なものになっており、基本的な支払方法としては

・自治体指定の窓口支払い
・銀行や郵便局での振り込み


などとなっており、こちらで行われるケースが最も多いようです。
なお自治体によっては分割払いだけでなく一括払いも可能ですが、割引などはなく支払総額に変わりはありませんので、無理をせず自分の都合に合わせたほうが良いでしょう。


このように現金支払いか振り込み払いが一般的ではありましたが、最近は支払い方法に多様化が見られるようになっています。
実は、これらの新しい支払い方法にお得が隠れていたのです。どのような方法とどのようなお得があるのか、見ていきましょう。


2. クレジットカード払い


クレジットカードでの支払いに対応可能な区市町村が増えています。
固定資産税をクレジットカードで支払いたいのであれば、各区市町村の専用Webサイトか、「Yahoo!公金支払い」からの申し込みが必須です。それ以外の窓口などでのクレジットカード払いはできません。

このクレジットカード払いは、ご存知の通り「ポイントがつく」というところです。
その反面、クレジットカード決済による手数料も発生するため、還元率によっては逆に赤字になるケースも存在しています。低還元率のカードの場合は特に気を付けなければなりません。たとえ低還元率でも、一定額以上のカード決済時のポイント還元キャンペーンなどを行っている事もありますので、タイミングが良ければ利用してみるのも手です。
ですので、利用する前にはご加入されているクレジットカードの確認が必要でしょう。

ただし、固定資産税をクレジットカードで支払うことが可能なのは、税額100万円以下の場合に限られていますので、こちらにも注意です。



3. 電子マネー決済


自治体によってはセブンイレブンで利用できる“nanaco”で支払うことも可能となっています。
このnanaco決済のポイントとしては、現金ではなくクレジットカードを利用してnanacoにチャージ(入金)すること。クレジットカードを使うことで、クレジットカードのポイントを貯めることができるのです。

これだけだと「最初からクレジットカードで直接支払ったほうが手間にならないのでは?」と思うかもしれません。確かに、税金はnanacoで支払ってもnanacoポイントはつきません。しかしクレジットカード払いで掛かるはずの決済手数料が、nanacoを経由させることで発生しなくなるのです。
nanacoにチャージするという手間は増えてしまうものの、決済手数料は税額が高ければ高いほど大きくなりますので、クレジットカード払いを考えているのであればこちらを利用するのも手でしょう。

注意点としては、セブンカードプラスやリクルートカードなど一部のキャッシュカードでしかポイント還元が行われていないこと、チャージできるのは最大10万円までといった上限が設けられていることなどです。


4. LINE Pay決済


神奈川や大阪をはじめ、2020年5月からは東京都でも“LINE Pay”の請求書払いができるようになりました。
このLINE Pay払いの最大のメリットとしては、コンビニや金融機関の窓口に行かなくてもスマホさえあれば家からでもバーコードを読み込むだけですぐ支払いが行えること。さらに手数料が発生も発生しないことも挙げられます。ですが自治体によっては手数料が利用者負担のケースもあるため、あらかじめの確認が必須になります。
税金の支払いはポイント還元の対象外でしたが、現在は登録したVisa LINE Payクレジットカードであれば受け取ることができるようになったようです。

こちらのデメリットとしては1日にチャージできる金額に上限があるため、大きな額の支払いの場合は数日かけてチャージ作業を行わなければならないことでしょうか。ですので、固定資産税が少額の場合に利用するのが良いかもしれません。




5. 延滞に気を付けること


今回ご紹介した支払方法は、あくまでも手数料が発生しなかったり、ポイント還元が行われたりという程度であり、劇的に負担が減るということではありません。時は金なりという言葉もありますし、それだけの金額に時間や手間を必要以上にかけたくないのであれば、一番手間のかからない口座振替が無難です。
それでも少しだけでもいいから節約したい、手間をかけても構わないという方は、ぜひ支払方法を変えてみてはいかがでしょうか。

どちらにせよ、延滞だけには気を付けるようにしてください。
分割の場合は1期目は覚えていても、2期目以降は忘れてしまい延滞になってしまうケースも多くなっています。自分が忘れにくい手段を選択しましょう。
納付期限が過ぎれば過ぎるほど延滞金が加算され、最悪財産の差し押さえが行われる可能性もゼロではありません。経済的に難しいなどやむを得ない事情がある場合は、固定資産税の軽減や免除を受けられることもあるので、各区市町村に相談することをおすすめします。

小雪