おそらく誰でも一度は“不労所得”という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
しかし、その言葉が意味することは何となくわかっていても、どのようなものがあるのか、どうすればその所得が得られるのかはわからない、という方が多いのではないでしょうか?
そこで今回は、10種類の不労取得の方法とその特徴、それぞれの注意すべきポイントなどを解説します。



目次
1. 不労所得とは
2. 主な不労所得の種類
3. 不労取得を得る前の注意点
4. まとめ

1. 不労所得とは


そもそも不労取得はどのようなものなのかというと、「労働によらず(または少ない労働で)得ることができる所得」になります。もともと実家が資産家であるなどといった特殊なケースを除き、通常であれば不労所得を得るためにはそれ相応の情報収集や知見は必須ですし、そのための“仕組み”を作り上げる必要があるでしょう。
つまり、働かなくても収入が得られる仕組みが完成するまでは、当然自分で動かなくてはならないのです。そして仕組みが完成したらその状況を“維持”し続けなければならない、ということも忘れてはいけません。

「働かなくても得られる収入」という響きは非常に魅力的に映りますが、何もしなくても勝手に発生してくるということはありませんし、今すぐに得られるものでもないのです。


2. 主な不労所得の種類


ひとくちに不労所得とは言っても、得るための手段は複数存在しています。それぞれ必要な知識や方法は異なるため、向き不向きがあることも事実です。
どのようなものが存在しており、どんな方に適しているのか、ひとつずつ見ていきましょう。


■不動産投資
不労所得と言えば不動産投資、と考える方も多いのではないでしょうか。
不動産投資とは土地や不動産を購入し、賃貸物件として第三者に貸し出したり、売却してその差額分から利益を得るという投資方法になります。ただし、後者の“売却益から不労所得を得る方法”は初心者にとっては非常にリスクが高く、不労所得どころか損失を出してしまう可能性が高いでしょう。
そのため、不動産投資での不労所得とは、基本的に「家賃収入」を指していることがほとんどです。

不動産投資の最大のメリットは、継続的な収入を確保できるという点でしょう。綿密な事業計画は必須となりますが、入居者が存在している限りは定期的な収入を得ることが出来ます。近年では、公的年金の代わりとして不動産投資を始める方も少なくありません。また、ローン加入時に団体信用保険に入ることによって、“もしも”の時には生命保険代わりになるという点も魅力です。
メリットが非常に大きい不動産投資ではありますが、もちろんデメリットがないわけではありません。
中でも、特に注意しなければならないのは「空室リスク」になります。継続的な収入が得られることが大きなメリットである一方で、それは当然“家賃を毎月支払う入居者”がいなければ得ることはできません。たとえ空室になっていなくても、家賃滞納が発生すれば同じようなリスクに晒されることになります。
さらに不動産は流動性が低いという特徴を持っているため、現金化するまでに時間がかかるというのも場合によってはデメリットになり得るでしょう。

不動産投資には豊富な知識と綿密な下準備、長期的な計画が必須になるため、誰でも気軽にできるような投資とは言えません。しかし、それが苦にならない方であれば、不動産投資で安定した不労所得を得ることは可能でしょう。




■株式投資
こちらも不労所得を得る方法として有名な手段です。
株式投資で得られる利益には、売買をしてその差額を利益(売買差益)とする“キャピタルゲイン”と、所有し続けることで利益の還元(配当金)を受ける“インカムゲイン”の2種類が存在しています。
上手く売却することで大きく儲けることも可能ではありますが、キャピタルゲインが発生するのは基本的に1回のみになるため、「不労所得を得続ける」という視点で考えればインカムゲイン、つまり配当金を狙うのがポイントです。所有していれば、投資先からギフトカードやサービス券など、企業独自のサービス提供が受けられる“株主優待”というものも存在しており、中にはこれを目的に株式投資をしている方も少なくありません。

ただし、株式投資はハイリスク・ハイリターンであることは間違いないです。配当金が出ないこともありますし、株価が下がってしまえば売却益を得ることもできません。最悪の場合、投資先の企業が倒産する可能性もあるでしょう。
そのため、安定した質のいい企業に投資することが大前提となります。


■FX
多くの投資の中でも最もハイリスク・ハイリターンと言われるのがこちらのFXになります。
FXとは外国為替証拠金取引を指し、為替の売買をして差額を利益とする“キャピタルゲイン”の投資方法です。上下する為替の変動に合わせてタイミングよく売買するのですが、上がるか下がるかの2択であり、どちらかと言えばギャンブルに近い投資方法になります。少額から始められる気軽さがメリットではあるものの、大きな損失が発生する可能性もありますので注意が必要でしょう。

また、FXで利益を上げたいのであれば1日の大半をFXにつぎ込むことが必須となりますので、不労所得とは少し言い切れないかもしれません。


■外貨投資
外貨預金とは、自国通貨を海外の通貨に換えて預金をすることです。日本であれば自国通貨は日本円に、海外の通貨はアメリカのドルやヨーロッパのユーロ、オーストラリアであれば豪ドルなどが該当するでしょう。
銀行にお金を預け入れることで利息が付くのは日本も海外でも同様ですが、当然通貨によって金利は異なります。日本の金利と比較すると海外では高く設定されているものも多いため、そのような国の銀行に預けておくことで多くの利息を得ることができるのです。

もちろん国の情勢や経済状況によって金利が変化しますし、外貨から日本円に交換する際に円高が進んだ場合は元本割れと言って損失が発生する可能性もあります。同時に為替手数料も必要とする点も忘れてはいけません。


■自動販売機・コインロッカーオーナー
開いている土地やスペースがあるならば、自動販売機やコインロッカーを配置して不労所得を得るという方法も存在しています。カプセルトイや証明写真機などもこちらに含まれます。基本的にはそれぞれの自動販売機などを管理・運用する専門業者と契約を行い、売り上げに対して決められた割合を収入としてオーナー(土地の所有者側)が受け取ることになります。

ただしこちらも立地が重要であり、需要がある土地を所有していることが前提となるでしょう。


■駐車場・駐輪場賃貸
こちらも賃貸物件を所有して家賃収入を得る方法と似ていますが、住むための物件を必要としないため、初期費用が安く気軽に始められる経営と言えるでしょう。
どちらも月極駐車(駐輪)場とコインパーキングがありますが、月極の場合は設備をほとんど必要としない分、難易度も低くなっています。コインパーキングの場合はサブリース(一括借り上げ)のスタイルが一般的です。

もちろんこの場合も立地が重要であり、常に埋まっている状態が続くとは限りません。また、わざわざ駐車場または駐輪場賃貸を行うために土地を購入する場合は、リスクが高くなる上に利回りも低くなってしまうため、避けたほうが無難です。こちらの方法はすでに「条件の良い土地を所有している人」向けと言っても良いでしょう。


■アフィリエイトサイト・YouTubeチャンネル開設
アフィリエイトとはインターネットを利用した宣伝の一種で、成果報酬型の広告になります。サイトに掲載している広告主の商品やサービスを、他のユーザーが購入・申し込みを行うことで、その売り上げの一部を報酬として受け取ることができるのです。YouTubeの場合も、チャンネル登録者が一定数を超えた時点で広告をつけることができるようになりますので、同様の報酬と受け取ることが可能となります。

初期投資もほとんど必要なく、専門的な知識も絶対必要というわけでもないため、気軽に始められるのが最大のメリットです。とはいえ作成してただ放置しておけば勝手に報酬が発生するということはなく、定期的な作業や更新が必須であることを忘れてはいけません。


■写真・画像のデータ販売
写真や画像、音楽や動画などといった“デジタルコンテンツ”を販売する方法になります。販売方法も増えており、専用サイトに投稿しその使用料を受け取るものから、ネットショップなどで直接取引を行うものまで、いくつかのスタイルが存在しています。

必要としている人にしか売れないものであるため、確実に不労所得を得たいという方には向いていません。とはいえ、趣味でお金を得たいと考える方にはぴったりな方法でしょう。


■シェアリングビジネス
新たなビジネススタイルとして注目されているのがこのシェアリングビジネスになります。
有名なところで言えば車やブランドのバックや洋服、アクセサリー、靴、腕時計、さらには部屋などを貸し出すレンタルスペースや民泊などもこちらに含められるでしょう。
貸し出す“もの”さえあれば気軽に始めれるものではありますが、内容によっては難易度が高いものも存在しています。また、その“もの”によって売り上げが左右されることも事実です。


■印税
こちらは一般向けではありませんが、印税で不労所得を得るという方法です。かつては、不労所得と言えばこの方法と考える方も少なくなく、ベストセラー作家や人気漫画家、ヒット曲を出した歌手などをイメージする方もいらっしゃるのではないでしょうか。

とはいえ、印税という形で不労所得を得るのはやや難しいかもしれません。最近ではTwitterやブログなどから書籍化するケースもみられますが、やはり一握りである上にそれが確実に売り上げを出せるわけではないのです。
可能性はゼロではありませんが、難しい方法であることには間違いないでしょう。


3.不労取得を得る前の注意点


不労取得を得る方法はいくつも存在しているということはここまでお伝えした通りです。
魅力的な不労所得ではありますが、やはり気をつけなければならないこともありますので、その注意点を押さえておきましょう。




■就業既定の確認
本業があるのならば、まず「就業既定」の確認は必須となります。
働き方改革が進み、多様な働き方が推進されて副業が解禁されている企業も増加している一方で、禁止している会社も少なくないようです。また、副業を認めている企業であっても申請が必要なケースもありますので、トラブルを避けるためにもあらかじめ確認しておきましょう。


■不労取得を得られるまでは時間が必要
不労所得は得るまでに時間が必要であり、すぐに大きな利益が得られるというものではありません。
まず知識という土台がある上で、仕組みを作るための行動と、そのための費用も必要になります。働かなくても良い収入を得るためには、その分だけ予め動く必要があるのです。


■税金がかかる
不労所得にも納税の義務が発生しますので注意が必要です。
ひとくちに“不労所得”とは言っても、利子所得や配当所得、不動産所得など複数の種類がありますので、税金の種類もそれぞれ異なります。本業以外の所得が年間20万円を超える場合は、確定申告が必須となるでしょう。


■失敗するリスク
基本的に報酬を得るための投資というものは、すべて「失敗する可能性がある」ということを忘れてはいけません。低リスクのものはあっても、絶対に失敗しないということはまずありえないのです。
また同時に、“絶対に失敗しない投資”や“ノーリスクのビジネス”などといった、詐欺があることも忘れないようにしましょう。場合によっては大きな借金を背負うことになったり、知人を失うケースもありえます。簡単で美味しい儲け話には裏がある、と甘い誘いには乗らないように注意することが重要です。


4. まとめ


不労所得の種類とその注意点を解説しました。
不労所得を作るには、不動産投資をはじめ、株式投資、FX、外貨投資などからシェリングサービスやデジタルコンテンツ販売まで、多種多様な方法が存在していることがおわかりいただけたでしょうか。
投資と言われる分野での不労所得形成は、大きなリターンが得られる反面、ある程度のリスクが発生する覚悟が必要です。しかししっかりとした知識と冷静な判断力があれば、そのリスクを最小限に抑えることもできるでしょう。

中でも、長期的で安定した不労所得形成を行いたいのであれば、不動産投資は特におすすめの投資方法になります。自己資金があり、ミドルリスクでミドルリターンの投資を行いたいのであれば、この機にぜひ不動産投資を始めてみてはいかがでしょうか。

小雪