生きていく上で「お金」は大切なもの。生活とお金は切っても切り離すことはできません。
そのため、必要最低限のお金に対する知識や判断力である「金融リテラシー」を若いうちから身につけることはとても重要です。

そこで今回は、金融リテラシーの意味から、ぜひ押さえておきたいお金の知識や判断力について解説します。



目次
1. 金融リテラシーとは?
2. 金融リテラシーを高めるメリット
3. 金融リテラシーを高める方法
4. まとめ

1. 金融リテラシーとは?


金融リテラシーの“リテラシー”は英語では「Literacy」と表記されるもので、ラテン語の「Literatus(読み書きの能力)」が語源だとされています。現在ではこれが誇張されるようになり、“物事を適切に理解・解釈・活用すること”の意味を持つようになりました。
つまり“金融リテラシー”とは「金融(お金)に関する知識や情報を正しく理解し、適切に活用するための能力」であり、わかりやすく言えば「お金の知識と判断力」と言えるでしょう。

お金は人生に必要だとはわかっていても、お金に関わる物事に対しては「なじみの銀行にそのまま貯金するだけでいい」と思っていたり、「難しいから後回し」と考えている方も少なくありません。しかし経済的に自立して生活していくためには、お金の管理から使用法まで、“お金との付き合い方”を理解する必要があります。
たとえば生命保険に加入するのであれば、自分の収入はもちろんのこと、将来の自分に何が起こるのかあらためて人生設計を立てることになるでしょう。どのようなタイミングでどれだけお金が必要になるか、もしもの際はどうするか、どうやってお金を準備しておくか、その際に役に立つのが「金融リテラシー」なのです。


■お金との付き合い方を学ぶ
「お金の問題」というと、ついつい身構えてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし金融リテラシーの“基礎”は、けして難しいものでもないのです。

例えば子供のころ、おこづかいやお年玉などをもらってやりくりをしたことはないでしょうか?高校・大学生くらいではアルバイトなどで、「働いてお金を得る」という経験をすることもあるでしょう。この時期は長期的な資金管理や、収入・支出について学ぶことが最大の目的です。

社会人になれば、自分自身で税金や社会保険料を支払わなくてはなりません。給与明細を確認して手取り額と天引きの内容と金額を把握し、生活費が赤字にならないように努める必要があります。また、クレジットカードを所有し、使用する場面も増えるでしょうが、たとえ一時的であろうとも「借入している」ことを理解し、支払可能な範囲で利用することが求められます。同時に分割払いやリボ払い、金利などについても学ばなければならないのです。

このように、経験を重ねるうちに徐々に身についていくものでもあります。これらのリテラシーはあくまでも基礎の基礎ですが、どれもお金の悩みを解決するためには欠かせないもの。金融リテラシーという言葉だけ聞くと難そうではあるものの、実際には生活と綿密な関わりをもっているため、現代で生きていくためには必ず押さえておきたい知識なのです。


2. 金融リテラシーを高めるメリット


金融リテラシーを身につけることは、生きていく上で欠かせないものとお伝えしました。
ではこれをさらに高めることで得られるメリットはあるのでしょうか?


■備えられるようになる
正しい収支管理をおこなうことで、貯金や貯蓄をしやすくなります。そうすることで、「もしも」にも備られるようになるでしょう。
ライフプランを立てることはできても、災害や健康の変化はコントロールできません。そのような場面でも不安にならないよう、「どう備えるか」の対策がしやすくなります。また、その「もしも」が発生したとしても、経済的に備えておくことで、治療費や入院費、引っ越すための資金や修繕費などに充てることによって、少しでも影響を軽減することが可能です。



■金融トラブルの回避ができる
金融トラブルの中でも多いとされているのが「投資勧誘による被害」です。
知識がないまま専門用語を並べ立てられ、その巧みな言葉に引っかかって契約してしまった、というケースは決してめずらしいものではありません。そのようなリスクを回避したいのであれば、資産運用に関する知識をつけてしまうのがもっとも良い手でしょう。多少なりとも勉強しているのなら、うますぎる言葉に流されることが少なくなります。気づかないままにだまされてしまうことのないよう、金融リテラシーを高めることは大切なのです。


■資金形成ができる
現在では資金形成は必須なものとなりつつありますが、金融リテラシーが高くなれば資金形成の手段として、銀行預金以外の資金形成のスタイルを選択しやすくなります。例えば、“投資”などもできるようになるでしょう。
中には「投資は怖いもの」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし正しいお金の知識を身につけた上で資産運用の仕組みを理解していれば、そのような不安を払拭することが可能です。
上手に運用することもできるようになり、将来のお金に対する不安を解消することもできるでしょう。


3.金融リテラシーを高める方法


ここからは、金融リテラシーを高める方法をご紹介します。


■ニュースを見る
ニュースを見ることも、金融リテラシーのためには大切なことです。
経済や融資関係のニュースは最初は難しく感じるため、何を言っているのかわからないかもしれません。ですが、知らない用語が出てきたら、具体的に調べてみることで少しずつ分かってくるはずです。また、ニュースによっては理解しやすいよう、グラフや図にして解説することもあるため、見続けることで理解度が高まってくるでしょう。
世界の動きや流れも同時に知れますので、金融リテラシーを高めるには手軽な方法になります。


■お金の勉強をする
本や動画などでお金を勉強するのも良いでしょう。
お金に関する種類の本は種類も多く、活字や表が中心の上級者向けの内容のものから、絵や漫画などで親しみやすい初心者向けの内容まで選択肢が豊富です。
動画で見たいという方はYouTubeで探してみましょう。良質な内容の動画も増えており、アニメや資料などでわかりやすく解説しているものも多いため、勉強の最初の足掛かりとしてもおすすめです。


■資格の勉強をする
やや難易度は上がりますが、資格の勉強をするという選択肢もあります。
金融リテラシーに関する資格は多く、特に「簿記」や「ファイナンシャルプランナー(FP)」などが選択肢として挙げられるでしょう。ある程度の勉強時間を必要としますが、金融や税金の知識はもちろんのこと、住宅ローンや各種保険、教育資金や年金制度などのほか、資産運用などに対する理解を深めることが可能です。
また、資格があればキャリアアップにつながりますし、たとえ本業で役に立つことはなかったとしても、副業や転職などで無駄になることがありません。



■実際に投資してみる
金融リテラシーを高める方法として、一番おすすめなのが「実践」です。机の上で勉強するだけではなく、実際に投資をおこなうことにより、新聞やニュースの内容を理解できるようになったり、利益を求めてさらに勉強する気が増したりと、金融リテラシーをもっとも高める方法と言えます。投資するリスクとリターンの関係性を理解し、希望する投資の勉強をしっかりとおこなった上で、実際に自分のお金を投資してみましょう。

・不動産投資を始めるという選択肢
投資と一口に言っても、株式やFX、投資信託、外貨、暗号資産などまでさまざまなものがありますが、「将来的な資金形成」、「定期的な収入」、「安定性」などを重視するのであれば、不動産投資がおすすめです。
不動産投資とは、不動産を購入・所有し、第三者に貸し出すことで利益を得る投資です。入居者がいる限りは毎月安定した家賃収入を得られるのが最大のメリットになります。
購入後に物件価格が上がったところで売却し、差額を利益として得る方法もありますが、他の投資と比較しても値動きが緩やかな傾向が強く、現金ではなく現物資産として保有できることから、基本的には長期投資が前提となるでしょう。
また、他の投資と最も異なる点として挙げられるのが「購入時に融資を利用できる」といった点です。そのため、手元の資金に不安があったとしても、問題なく始めることが可能となっております。

ただしデメリットとして、空室が発生すれば収入が得られないこと、災害などによる破損や経年劣化があること、価値が下落するなどといったリスクなどがあります。それらを踏まえて適切な物件を選ぶことで、安定した収入を長期的に得られるようになるでしょう。


4.まとめ


金融リテラシーとは、お金の知識と判断力のこと。お金は生きていく上で欠かせないものであるため、金融リテラシーはとても大事なスキルであると言えるでしょう。身につけることで、適切な収支管理と貯蓄が出来るようになり、状況に合わせた投資を選べるようになります。また、知識があればお金にまつわる多くのトラブルを上手に回避することも可能となるでしょう。

ただし、金融リテラシーの基礎の基礎は身についていたとしても、現在の日本では学校や家庭などで金融教育を受ける機会がほぼないため、自分自身で学ぼうとしない限り高めることはできません。さらに、社会や経済は常に変動していますので、常に時代に合わせた金融リテラシーを身につけて高めなければならないのです。

将来のお金の不安を払拭したいのであれば、お金の知識と判断力を身につけることは必須。これからの人生で多くの場面でお金に関する選択肢が出てくるかもしれませんが、その際に適切な判断ができるよう、まずはしっかりとした金融リテラシーを身につけましょう。

小雪