毎月安定した家賃収入を得られる不動産投資を「副業」として選ぶ人は多いです。
しかし興味自体はあっても、自分の職業で不動産投資はできるのが、そもそも向いているのか?と悩む方も少なくありません。

そこで今回は、副業として不動産投資が選ばれる理由から、相性の良い職業までを解説します。



目次
1. 不動産投資と副業
2. 不動産投資と相性の良い職業
3. まとめ

1. 不動産投資と副業


そもそも不動産投資とは、不動産を対象とした投資です。
不動産を取得し、第三者に貸し出すことで家賃収入を受け取る方法(インカムゲイン)と、購入時よりも高値で売却して売買差益を得る方法(キャピタルゲイン)の2種類が存在しています。

ただし、不動産投資におけるキャピタルゲインは、成功すれば利益を得られるものの失敗時のリスクもとても大きく、非常にハイリスク・ハイリターンな方法です。特に日本では築年数の経過で資産価値が減少していくため、キャピタルゲインを狙うのはあまり適していません。
そのため、不動産投資では定期的な家賃収入が得られるインカムゲインを狙うことになるでしょう。


■不動産投資は副業に含まれない?
不動産投資は「副業」として人気が高い投資方法です。しかし、就業規則で副業を禁止している会社も多いため、あきらめている方も少なくありません。
しかし結論から言えば、「副業禁止の会社であっても不動産投資はOK」というケースが多いでしょう。

会社が副業を禁止している理由として、まず挙げられるのは「本業に支障が出るため」です。ですが不動産投資の場合は、日常的な業務があるわけではないため本業に支障を出すとは考えにくいでしょう。
また、「情報漏えいのリスクを避けるため」という理由もありますが、不動産を賃貸物件として貸し出しているだけなので会社の情報が漏えいするリスクもありません。
さらに、親や親族から相続などで収益物件を受け継ぐ場合もあるでしょう。そのようなやむを得ない状況をすべて含めて禁止することはできないため、多くの会社は「不動産投資は就業規則で禁止している副業には当たらない」と容認しているのです。




2. 不動産投資と相性の良い職業


不動産投資は、不動産投資ローンを利用して始めるのが基本です。そのため、「金融機関が融資をしたいと思う職業」であるかどうかが重要と言えるでしょう。
所得が高いほうが有利であることは当然ですが、ローンの審査面から考えれば収入の「安定性」が大きなポイントです。
これを踏まえて、不動産投資と相性の良い職業を見ていきましょう。


■会社員
会社員、特に上場企業の正社員は比較的安定した給与が毎月支給されるため、金融機関からの信用力が高い職業と言えます。勤続年数が一定以上あり、年収にも問題ない会社員であれば優良と判断されることが多いでしょう。

また、会社員はオンとオフ、仕事とプライベートの時間がはっきりとしている傾向があるため、本業の会社員としての仕事に支障をきたすことがほぼありません。実質的な管理業務は管理会社に一任することも可能ですので、それほど負担になることもないでしょう。
本業に集中しながら投資できるという点が、会社員最大のメリットなのです。


■医師・弁護士
医師や弁護士といった士師業も融資を受けやすい職業です。
国家資格という信頼性・安定性が高い資格を持ち、健康であれば定年という概念もなく、他の職業と比べて失業リスクも低いため、好条件で融資を受けられる可能性が高くなっています。

収入が高めな方が多いこの職業は不動産投資に向いていると言えますが、独立開業している場合はやや注意。安定性で見た場合、開業している場合は収入が安定しない自営業者に近いと判断されることも少なくありません。さらに負債を抱えている場合、借りられる上限が小さくなるリスクがあることには気をつけましょう。


■公務員
公務員も信用度が高いため、融資を受けやすく不動産投資に向いています。
公務員はいわば国や自治体に勤めている人であり、それらが破産する確率は一般的な会社と比べてもはるかに低いでしょう。その安定性も信用度もきわめて高く、好条件で多額の借り入れも期待できます。
その資金力を活用して収益性の高い物件を購入するなど、より良い条件下で不動産投資を始めることが可能です。

ただし、公務員の副業禁止に関する規定は国家公務員法・地方公務員法いずれにも盛り込まれているため、はじめる際には注意が必要でもあります。一部の民間企業等に従事することは憲法違反となり、原則的には副業である不動産投資も認められていません。
しかし一部条件として

・年間の家賃収入が500万円未満
・不動産投資規模が5棟10室未満
・管理業務の完全委託

であれば副業に該当しないとされています。
これ以上になった場合は事業的規模とみなされ、副業禁止規定に抵触しますので気をつけましょう。




■自営業
ここまでとは違う視点にはなりますが、自営業も不動産投資と相性の良い職業です。
自営業の課題になりやすいのが「収入の不安定さ」です。これに定期的な家賃収入が確保できる不動産投資を並行すれば、収益アップだけでなく安定的な収入確保が出来るでしょう。

ただし、上述した他の職業と比較すると自営業は信用度が低いため、金融機関から融資を受けることが難しいといった問題があります。そのため、始める前に諦めてしまうという方も少なくないでしょう。
自営業者が不動産投資を始めるためには、収入を一定以上に保つ、資金を多く用意しておく、付き合いのある金融機関を選ぶなどの融資戦略は必須です。が、一度安定的な不動産収入が得られるようになれば信用性も高まり、徐々に好条件での融資も受けやすくなるでしょう。


3.まとめ


収入が多く安定している職業のほうが、金融機関からの融資が受けやすく、不動産投資をはじめるハードルが低い傾向にあります。特に上場企業の会社員や医師、弁護士、公務員などは不動産投資と相性が良い職業です。好条件でローンが組めれば、良いキャッシュフローを維持しやすいでしょう。
また、安定収入を確保できる不動産投資は、自営業の方にも理想的な副業と言えます。

不動産会社や管理会社に管理業務が委託できる不動産投資は、手間や時間をかけることがないため副業として人気です。副業が禁止されている業種であっても、不動産投資であれば“資産運用である”と認められているケースが多いので、安心して始めることができます。
とはいえ、中には「不動産投資も副業に含める」という企業もあるほか、たとえ容認していても事業的規模のものは認めていないこともあります。後のトラブルを避けるためにも、不動産投資を始める前に必ず確認しておくことをおすすめします。

小雪