老後の収入への不安感や、政府が奨めていることもあってか、これまで投資に触れたことがない人も「投資を始めてみよう」と考えている方が増えています。中でも、定期的に安定した収入を得られることや節税効果も望めるという点から、不動産投資への注目度が特に高まっているようです。
しかし、やはり投資ですから失敗する可能性がないとは言い切れませんし、もちろん誰にでも簡単にできるものではありません。
そもそも、不動産投資をはじめるべきタイミングや向いている性格などはあるのでしょうか?
目次
1. 不動産投資を始めるタイミングとは?
2. 不動産投資に向いている人とは?
3. 情報を集めようとする行動が重要
1.不動産投資を始めるタイミングとは?
■貯蓄額や収入額にはあまり左右されない
数ある投資の中でも“不動産投資”は初期投資額が大きなものになりやすく、多額の資金がないと始められないというイメージを持っている方が多いです。
確かに、不動産投資を始めるのであれば賃貸用の物件を購入しなくてはならないのですが、実際には現金一括で購入する方は少ないですし、必ずしもそうしなければ始められないというわけでもありません。なぜかというと、物件を購入する際にはほとんどの人がローンを組むため、極端な話、貯蓄がない状態でも不動産投資を開始することは可能なのです。
金融機関などでローンを組み、毎月の支払いを家賃収入から返済を行う、という形が不動産投資では一般的ですし、基本の形になります。つまり、現在の収入額に左右されることもありません。
もちろん、本業が安定しその収入によって生活をしっかりと支えられるようになってから始めることが出来れば、多少不動産投資を軌道に乗せるのに時間がかかったとしてもある程度の余裕があるでしょうし、成功を求めすぎて判断力を失うという事も少なくなるかもしれません。
金利次第では返済の負担を考慮して、ある程度の頭金を用意しておいたほうが良いかもしれませんが、現時点ではかなりの低金利のため、頭金をそろえることが出来なくてもあまり問題になることもないです。
ローンを組むための必要最低限の収入や信用は必要になるものの、「収入が少ないから」という事は不動産投資をあきらめる理由にはならないのです。
つまり、貯蓄があるかないか、収入が多いか少ないかで、不動産投資を始めるタイミングが左右されることはないと言えるでしょう。
■子供の有無は関係ある?
子供がいるかいないかも、不動産投資を始める理由になりそうですが、実際にはそこまで関係してくるものではありません。
確かに、不動産投資が軌道に乗り規模を拡大した後であれば、子供が存在したほうが有利であると言えます。不動産投資用の会社を設立し、子供を会社の従業員にします。そして、家賃収入をその会社に入れる仕組みを作成して、給与として従業員である子供に支払うという形にすれば、所得分散で節税することが出来るからです。
ですがこれは将来的な話であり、不動産投資を始めるタイミングには直接関係してくるものではありません。したがって、子供がいてもいなくても問題ないと言えます。
2. 不動産投資に向いている人とは?
職業に向き・不向きがあるように、投資にももちろん向いている人、向いていない人が存在しています。
例えば、情報に振り回されず自分で考えてしっかりと選ぶことが可能な“判断力”を持ち、自分の感情にとらわれず瞬時に決断が出来る“理性”を備え持っている人は、株式やFXなどに向いているといわれています。
では、“不動産投資”に向いているのはどのような人なのでしょうか?
■物事を長い目で見ることが出来る
不動産投資は他の投資より、利益を出すまでに長い時間を要します。賃貸物件を購入し、実際に住民が入ったとしても、その時点ではまだ利益がないといったケースも少なくありません。中にはローンが完済してようやく利益が出るという事もないわけではないという、長く育てなければならない投資でもあるのです。
そのため、すぐに結果を求めず、ゆったりと物事を見れるタイプは不動産投資に向いています。
■コミュニケーションスキルが高い
人と接して仕事をするのが苦手だから不労所得で生活したい、と考えている方も多そうですが、実際には不動産投資でも他者との接触を避けることはできません。
物件を購入する際にも不動産会社の方とのやり取りは必須になりますし、銀行で融資を受ける際にも担当者と接することになります。個人で管理するのであれば住民との関わりがあり、管理会社に管理を任せる場合でも何かが発生したら連絡を受けることもあります。
そのため、人付き合いが苦手な人はストレスになることも多いかもしれません。できるだけコミュニケーションスキルが高めの、社交的な人が向いているでしょう。
■意思をはっきりと示せる
日本人は特に「NOと言えない」人が多いとされています。しかし不動産投資をしていく上で、誰にでもYESと言い続けるわけにはいきません。例えば不動産会社から意にそぐわない物件を勧められた際、リフォーム時には必要とは思えない設備を提案された時、入居者から理不尽な要求をされる可能性もゼロではないでしょう。その場の感情や空気に流されることなく、はっきりと自分の意思を伝えられる意志の強さが求められます。
■学ぶことが好き
不動産投資は成果を出すために勉強が必要なことも多く、古い知識だけでは成功させることが難しくなっています。現在人気が高いエリアやその傾向、最新の設備、リフォーム費用から賃貸相場までと、他の投資と比べて必要となる知識はとにかく多くあります。
また、収益を上げるためには不動産の市況から税制の仕組みなども詳しく知らなければなりません。
そのため知識を集めることが苦ではない、あるいは好きと言う方は成功の確率が高くなるはずです。
3. 情報を集めようとする行動が重要
不動産投資は人気の投資ではありますが、中には失敗する人がいないわけではないですし、そのリスクはいつでも存在しています。
そのため、自分は不動産投資に向いているのか、成功しやすいタイミングはあるのか、慎重になるのは当たり前のこと。むしろ、失敗のリスクを回避するため、始める前から情報を集め知ろうとしている点では、知ろうとしていない方よりよっぽど「向いている」と言えるのかもしれません。
収入や貯蓄、子供がいるかいないかはあまり状況に左右されませんので、自分のタイミングを見計い、自分の性格や考え方を把握した上で、ぜひ不動産投資の第一歩を踏み出してはいかがでしょうか。
小雪