こんにちは。ライターのねぎみじんと申します。

日本の夏は雨が多くて嫌になりますが、
こないだ少し涼しかった日に散歩していたら近所で風鈴の音が聞こえてきました。
久しぶりに聞いた風鈴の音はとても心地良かったです。

よくよく考えるとここ何年も風鈴の事を考えたことが無かったですが、
日本の夏と言えば蚊取り線香と風鈴は欠かせないアイテムだったことを思い出しました。

確かに最近では赤の他人との些細な関わりも少なくなってきている気がしますし、
ましてや騒音による近隣トラブルも起こりやすい時代になってきました。
といってもちょっと昔に比べれば少しは緩和されたかな?どうなんでしょう…

兎にも角にも今回はふと思い出した「風鈴について」あれこれまとめてみたいと思います。


1.     風鈴とは
2.     風鈴の主な種類
3.     風鈴のオススメな使い方



 

■風鈴とは
日本人で風鈴を知らない人はほとんどいないように思いますが、
実は風鈴が占いの道具だったということを知っている人はどれだけいるでしょうか?

 風鈴の起源は約2,000年前の中国の唐時代に使われていた、
占風鐸(せんふうたく)からといわれています。

竹林に風鐸という青銅で作られた鐘のようなものを吊り下げて、
風の向きや音の鳴り方で吉凶を占っていたようです。

その風鐸が日本の奈良時代に遣唐使によって仏教とともに伝えられ、
主にお寺の仏堂の四隅に吊るし、この音が聞こえる範囲は災いが起こらないとされ、
魔除けとして普及していきました。
時代が変わるにつれ徐々に小ぶりになっていき、貴族も使い始めるようになります。

そして江戸時代に西洋からガラス文化が伝わりガラス製の風鈴が生まれますが、
この時代ではまだ風鈴は高価で現代の価格で約200~300万円ほどしたそうです。

ガラス製品の価格が下がっていくにつれて庶民にも流行し、
鈴虫が奏でる音色に似ていることから今のイメージである風情を楽しむ風鈴へと変貌していったようです。



  

■風鈴の主な種類
風鈴には実に様々な種類がありますが、
基本的な仕組みは大きく3つの部分に分かれています。

外見(そとみ)と呼ばれる本体部分と、舌(ぜつ)と呼ばれる紐に繋がる小さな部品、
そして風を受ける短冊の3つです。
短冊が風を受けて紐を揺らし、紐に付いた舌が外見の縁に当たり音が鳴るという仕組みです。

この外見、舌、短冊が地方によって材質によって様々なわけですね。
代表的な種類をいくつか紹介していきます。

まずは東京の江戸風鈴です。
代表的なガラス製の涼しげな風貌で、
外見の縁をギザギザにすることでいわゆるチリンチリンといった、
あの風鈴の音色を出せるようにしています。

次に岩手の南部風鈴です。
良質な砂鉄を含んだ密度の高い鋳物である有名な南部鉄器を用いた風鈴で、
鉄製のずっしりした質感によってリーンと澄んだ音色が響くのが特徴です。

神奈川の小田原風鈴も魅力的な風鈴です。
銅と錫(すず)の合金である砂張(さはり)と呼ばれる鋳物で作られた風鈴で、
作り手が限られているため希少価値が高く、音色はとても美しく、
それでいて使い続けると年々音が良くなるとも言われています。

最後に紹介したいのは兵庫の明珍火箸風鈴です。
炭火などを挟む用途でおなじみの火箸を4本吊り下げ、
真ん中の振り子がぶつかり合うことで音が鳴る仕掛けになっています。
火箸独特の高く澄んだ音色もまた特徴的です。



  

■風鈴のオススメな使い方
そんな風鈴ですが、現代でのオススメな使い方もまとめてみます。

まずはもちろん、ベランダや縁側など外に置く方法です。
窓越しに聞こえてくるさりげない音色は日本人なら癒されて当然でしょう。
ただし、日本人でも全員が心地良い気分になるとは限りません。
冒頭でも伝えたようにマンションや住宅が密集している場所では
騒音トラブルになりかねない
ので注意しましょう。

それならばエアコンや扇風機など風通しの良い室内はいかがでしょうか。
カーテンレールに吊るしたり、最近では専用のスタンドもあります。
もちろん家電製品のダイレクトな冷風は涼しいですが、
忘れかけていた日本の古き良き風情を楽しみながら涼んでみるのも良いでしょう。

しかも、風鈴の音色で実際に体感温度が下がることが立証されていたり
音色のリズムが揺らぎ効果を生み心理療法としても有効といわれているのでオススメです。

また玄関脇に設置することでドアを開けた時に入ってくる外の風を受けて、
静かに鳴るのも風鈴の楽しみ方としてオススメです。
外から帰ってきた際にどこかリラックスできたり、
客人をもてなす際にもセンスのある演出になるのではないでしょうか。

他にもオシャレな風鈴がたくさんあるので、
ただただインテリアとして飾るという方法もあります。
ガラス製であれば音が鳴らないようにして外に置いておけば、
天気の良い日には太陽の光を受けてキラキラとキレイなオブジェにもなりますね。



いかがだったでしょうか。

風物詩である風鈴を今一度、見直してみると
改めて日本の夏もいいものだなぁとしみじみ思えます。

今はコロナでなかなか旅行なども難しいですが、
もし地方へ出かけることがあれば素敵な風鈴にも出会えるといいですね。
地域によって色んな顔の風鈴が待っているはずなので、ぜひ探してみてください。