最近、和の心を感じたことがありますか?
こんにちは。ライターのねぎみじんと申します。

何を突然…と思われるかもしれません。

こないだふと思ったんですよね。
とはいっても別に深い意味があるわけでもなく、
そもそもここ最近は畳を踏んだり寝転んだりしてないなぁと思ったんです。

ぼんやりと和モダンなスタイリッシュでデザイン性の高いものは好きだったりするのですが、
もっとノスタルジックを感じられるというか、
田舎にありそうな和室を見かけないなぁとおもったわけです。

そういえば実家に和室があったのですが、割とちゃんとした床の間があったんですね。

子供の頃は特に何も気にしていなかったのですが、
大人になって久しぶりに実家へ帰ったらちょっとした物置みたいな感じになってて、
少しだけもの悲しい気分になったことを思い出しました。

そんなこんなでふと和室だったり、床の間だったりって、
個人的に最近見かけてないなぁと思った次第です。

ということで今回は「床の間について」あれこれまとめてみたいと思います。


1.     床の間とは
2.     床の間の種類
3.     床の間のメリット・デメリット



■床の間とは
そもそも床の間とは、
和室やいわゆる畳の部屋に設置されたちょっとしたスペースのことを指します。
割とイメージはしやすいかと思います。

主な役割は色々と物を飾る神聖なスペースであることです。
壷や花瓶、生け花や掛け軸などが置かれるイメージがありますよね。
ちょっとお高そうな物だったり刀が置かれていたりすることもあります。

それもこれも本来は、
お客様をもてなすための部屋に設置する役割があったからだと考えられます。
床の間はおもてなしをするための最上級の部屋に設置するべき建築様式だったといわれています。
床の間がある方が上座、出入り口に近い方が下座となります。

床の間を構成する部分としてはざっくり分けると4つです。

まずは床柱(とこばしら)です。
床の間の片方の柱のことで、通常の柱よりも立派な見た目をしていることが多い柱です。

次に床板(とこいた)
これは床の間に張る下板のことですね。

そして床框(とこがまち)と呼ばれる部分。
床の間を正面に見た時に下部に見える横木のことです。
種類によっては無かったりします。

最後に前板(まえいた)
床の間と畳の間にある板畳を指します。

あまりにも細かいので割愛しますが、
これ以外にもたくさんの細かい部分で床の間は構成されています。



■床の間の種類
一言で床の間と言っても実にたくさん種類があります。
ここでは簡単にですがいくつか紹介します。

まずはイメージ通りの一般的なもの、本床(ほんどこ)です。
室町時代の書院造りという建築様式でみられるタイプで、
いわゆる床の間部分が一段高くなっていて、
床板を張ったりそのまま畳を敷いていたりします。

立派な横木である床框を省略し、蹴込み板をハメ込んだタイプを、
そのまま蹴込床(けこみどこ)と言ったりします。
また床の間の左右どちらかに袖壁という壁を取り付けたタイプを、
袋床(ふくろどこ)と言います。

次に踏込床(ふみこみどこ)
これは畳の一部分だけ素材を変えたタイプです。
そのため床と高さが変わらずにフラットなのが特徴的です。

お茶や茶室で有名な千利休によって創案された洞床(ほらどこ)というタイプもあります。
これは名前の通り洞穴のような見た目で、
床柱などを設けず周りを壁で覆って間口が少し狭くなっているような形状をしています。

他にも下部は畳のままで上部に出っ張りを設けた釣床(つりどこ)
ほぼ見た目は壁と変わらない織部床(おりべどこ)というシンプルな仕様もあります。
さらには台座部分を取り外しできる置き床(おきどこ)というものもあるようです。



 

■床の間のメリット・デメリット
ではそんな床の間ですがメリット・デメリットについても考えてみましょう。

まずは和室が華やかになるという視覚的なメリットが1番だと思います。
畳の上に物を置くと重さで変形したり痛めたりするので物を置くことは本来少ないはずです。
そのためどうしても和室は簡素な空間になりがちですが、
床の間があることで奥行きが出て独特な雰囲気を出せるのは良いことでしょう。

また絵画や花といった美術品を飾るスペースとしては最適です。
和風テイストな物はもちろん、
センスによってはかけ離れているものでもアリだと思います。

では、デメリットはどうでしょう。

何かしら飾る物があれば良いですが、
そういった物が一切無いと謎のデッドスペースが生まれてしまいがちです。

例えば賃貸物件の場合は、昔の名残で床の間が残っていて、
何とも使いづらい間取りになったりする可能性があるので注意が必要です。



いかがだったでしょうか。

床の間は日本人としてとても趣深い空間である事は間違いないでしょう。
だからこそ、現代で使いこなすためにはそこそこのセンスが必要になりかねません。

それは新築物件を建てる時だってそうですし、
賃貸のような備え付けのパターンも同様ですよね。

冒頭で割と格式高いスペースとして紹介はしましたが、
例えば僕の実家のようにちょっとした収納スペースとして活用したり、
広さがあるなら作業スペースとして使用してみたりと、
枠にとらわれず現代風のアレンジを施してみたりするのもいいかもしれません。