これから投資物件を購入したい、または所有している不動産価格が今後の推移が気になるという方は多いでしょう。
新型コロナウイルスの感染拡大や東京オリンピックの延長開催など情勢が日々変わっていく中、
不動産投資はどのような影響を受け、どのように変化をしていくのでしょうか?
前半となる今回は2022年の不動産市況の予測から、影響を与えるであろう要因、
さらに不動産業界で不安視されている「2022年問題」について詳しく見ていきましょう。
目次 ーtable of contents
1. 2022年の不動産市況に影響する3つの要因
2. 2022年問題とは?
3. 生産緑地と不動産価格の関係
4. 予測される2022年問題の悪影響
1. 2022年の不動産市況に影響する3つの要因
結果からお伝えしますと、「2022年も現在と大きな変動はない」というものが大まかの予測となっています。しかし、やはり何の問題もないわけでもありません。
まずは、2022年の不動産市況に影響を与えると思われる要因について1つずつ考えてみましょう。
■新型コロナウイルス
新型コロナウイルスの影響によって、飲食業界や観光業界をはじめとした複数の業種が大きなダメージを受けたものの、不動産業界の影響は限定的であり、この先もそれほど変化はないとみられているのです。
これまでにどのような動きがあったのか見直しますと、
2020年3月に発令された第1回目の緊急事態宣言は多方面に影響を与え、
不動産業界もこの時期には首都圏を中心に取引件数は大きく減少し、
取引価格も値下がり傾向が見られました。
しかし、コロナ禍によって在宅時間が長くなり“自宅”へ関心が強く向かったことから、
同年7月以降にはすでに不動産価格は回復を見せ、
そればかりか首都圏では前年よりも取引価格は上昇、成約件数も増加しているのです。
とはいえ、不動産業界がコロナ禍で影響を受けたものはそれだけではありません。
リモートワークが浸透し社員への出社が求められなくなったことから、
オフィスへの需要の変化も見られています。
以前は賃貸オフィスと言えば大規模なものが一般的でしたが、
最近では30㎡程度の小さなコンパクトオフィスやシェアオフィスに注目が集まっているようです。
その逆で、外出自粛での在宅時間や、リモートワーク・オンライン授業が増加したことに伴って住宅ニーズが大きく変化。
特に、仕事用のスペースや部屋を確保するため、4LDK以上の部屋数が多い物件の人気が高まっています。
現時点ではそれほど極端な需要ではないものの、状況によっては需要過多により価格が高騰することも考えられます。
しっかりと注視しておく必要があるでしょう。
■オリンピック後の景気後退
数年前からつい最近まで「東京2020オリンピック後に景気が後退し、首都圏の不動産の需要と価格が暴落する」という意見をあちこちで見かけました。コロナ禍によって1年延長したことも含め、大きな影響を危惧した方も多いことでしょう。
ですが実際にオリンピックが終了した現在、値下がりを見せるような傾向はみられていません。
オリンピックのような世界的大イベントの開催は、競技施設や周囲の大規模なインフラ整備など、
いわゆる「オリンピック需要」を生み出し、同時に不動産の需要と価値を上昇させます。
このような形で上昇した需要は当然、オリンピックが終了してしまえば無くなってしまうものです。
オリンピック需要の反動を受けて景気が大きく後退し、経済成長率が下がることもめずらしくありません。
実際に前回1964年の東京オリンピックもそのような例のひとつでした。
しかし、今回の東京2020オリンピックのために建設されたものは国立競技場などといった一部の施設に限られ、
周囲のインフラ工事などは必要としませんでした。
オリンピック需要がごく小規模なものであったために反動も小さく、その結果景気後退には至らなかった、というわけなのです。
■2022年問題
不動産投資家はもちろんのこと、不動産関係者や農業事業者を賑わせている問題がこの「2022年問題」になります。2022年問題は簡単に説明すると「生産緑地(農地)の8割が2022年に指定解除となることにより、土地が売却され市場に大量に供給される」という問題です。
土地が過剰供給されれば、価値は一気に低下します。
ハウスメーカーやマンションデベロッパーが売却された土地を購入すれば、新築住宅や新築マンションが一気に建てられるでしょう。
結果的には需要と供給のバランスは大きく崩れ、不動産価格だけではなく賃貸物件の賃料の下落につながる恐れがあるのです。
ただしこの問題もすでに対策はたてられており、それほど大きな問題にはならないと予測も出ています。
次からこの2022年問題について詳しく見ていきましょう。
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選ばれた街の心地良さを、次の時代へ。メインステージ千住河原町
- 物件名
- メインステージ千住河原町
- 所在地
- 東京都足立区千住河原町21番12
- 交通情報
- 京成本線「千住大橋」駅 徒歩3分
- 間取り
- 1K(28戸)、1LDK(9戸)
- 専有面積
- 26.55㎡~43.08㎡
- 構造
- RC造 13階 建て
- 総戸数
- 45戸
- 投資用物件
快適の真価を実感する暮らしをここから。メインステージ本蓮沼
- 物件名
- メインステージ本蓮沼
- 所在地
- 東京都板橋区泉町13番9
- 交通情報
- 都営三田線「本蓮沼」駅 徒歩4分
- 間取り
- 1K(16戸)、1R(4戸)、2K(13戸)
- 専有面積
- 25.65㎡~30.60㎡
- 構造
- RC造 5階 建て
- 総戸数
- 43戸
- 投資用物件
忙しい現代人に贈る至福のレジデンス。メインステージ東日暮里Ⅱ
- 物件名
- メインステージ東日暮里Ⅱ
- 所在地
- 東京都荒川区東日暮里2丁目34番6
- 交通情報
- 東京メトロ日比谷線「三ノ輪」駅 徒歩9分
- 間取り
- 1K(18戸)
- 専有面積
- 25.42㎡~25.84㎡
- 構造
- RC造 7階 建て
- 総戸数
- 29戸
- 投資用物件
2. 2022年問題とは?
2022年問題は“生産緑地問題”とも呼ばれる通り、都市圏の市街化区域に点在している「生産緑地」が大きくかかわっています。■生産緑地制度制定の背景
問題の発端は、高度経済成長期の1970年前後にまで遡ります。当時は市街地の人口が爆発的に増加したことにより、住宅不足が深刻な社会問題となっていました。
都市化が一気に進み、緑地が次々と切り開かれ宅地へと転用されていったのです。
そのように急速に市街地の緑地が減少した結果、住環境の悪化だけではなく、土地が地盤保持・保水機能を失ったことによる災害が多発するようになりました。
この問題に歯止めをかけるため、1972年に制定されたのが「生産緑地法」になります。
良好な都市環境を形成するため緑地を保全していくという目的で定められたものの、
都市化による土地不足と地価上昇は留まることがなく、緑地の宅地化を止めることはできなかったのです。
そこで、1992年に生産緑地法を改正し、市街化区域の農地をそのままの農地として保全する“生産緑地”と、
積極的に宅地への転用を進めるための“宅地化農地”の2つに分けられました。
こうすることで、環境保全のために必要な農地を残しつつ、
一定の宅地転用を認めることで住宅不足問題も同時に解決することを狙ったのです。
■なぜ今になって指定解除されるのか
市街化区域にある農地は、宅地と同程度の固定資産税が課せられることになります。通常、宅地と一般農地との固定資産税額は数十倍ほどもの差があるため、
市街化区域で高い固定資産税を支払い続けて無理に農業を続けるよりも、宅地にしてしまったほうが良いと考えるのは当然であるともいえるでしょう。
しかし改正された生産緑地の指定を受けると固定資産税が一般農地程度にまで下がるため、
市街化区域内でも農業が続けやすくなりました。
そのため、市街化区域に残っていた農地所有者の多くは、この税制面での優遇措置を受けることを目的に次々と指定を受けたのです。
ただし、指定を受ける条件のひとつに「30年の営農義務」が存在しており、
この期間は売却などが一切認められず農地として利用することが求められます。
また、30年が経過すれば義務がなくなるのと同時に固定資産税の優遇も失うことになります。
そして多くの生産緑地の期限が満了するのが、ちょうど2022年。
税の優遇が無くなり高くなった農地の固定資産税を回避するため、
“多くの農地が市場に流れ不動産価格が暴落する”と考えられているのが「2022年問題」と呼ばれるものになります。
3. 生産緑地と不動産価格の関係
生産緑地が制定された背景などについてはお伝えした通りです。ここからは、「生産緑地」自体を詳しく見ていきましょう。
■生産緑地制度とは
そもそも生産緑地とは、市街化区域内に存在している農地で、都市計画によって指定された生産緑地地区内のものを指します。一定の要件を満たす必要があり、指定を受けることで税制上の優遇措置を受けることが可能となります。
その要件が
であり、これらをすべて満たした農地が「生産緑地」の指定を受けることができるのです。
それにより、市街化区域内においても安心して農業を続けることができるのですが、税制面での優遇を受ける条件として制限が設けられており、
などがあり、ここにさらに「30年の営農義務」が同時に生じます。
簡単に言ってしまえば、税制面での優遇を受けるためには農地所有者みずからが30年間農業を継続する必要がある、ということです。
4. 予測される2022年問題の悪影響
2022年問題の影響として「土地の価格が暴落する可能性がある」とご説明はしました。もちろんこれはあくまでも可能性であり、確定ではありません。
では、2022年問題が実際に“実現化した場合”、不動産にどのような影響が出るのでしょうか?
■地価の下落
まず考えられるのは、上述した通り「土地の過剰供給による地価暴落」です。生産緑地の指定が解除された土地は、宅地と同水準の固定資産税が課せられます。
その上、宅地と比べて農地はとても広いため、
これまでと同じように維持管理していくことが非常に厳しくなることは簡単に想像ができるでしょう。
そのため、多くの農地所有者は宅地としての売却を希望するだろうと考えられているのです。
もちろん、すべての生産緑地が宅地として転用されることは“現実的には考えられない”と捉えて問題ありません。
農地所有者の中には、農業を継続したい方、建物を建てて賃貸経営を行おうと計画している方もいらっしゃるでしょう。
しかし農地所有者の高齢化も進み、後継者の問題もあることから、
続けることを希望していても実際には難しいケースも少なくありません。
それにより、常時よりも土地の供給量が増えることは間違いないでしょう。
早期売却を狙い、値下げ競争が発生し価格の大暴落がする可能性もゼロではないのです。
■中古マンションが売れ残る
中古マンションが売れにくくなる可能性も懸念されています。生産緑地は指定日から30年経過することで解除されますが、
原則として各自治体に対して時価で買取りの申し出を行うことになります。
しかし財政的な余裕がない自治体も多いため、すべての土地の買取りを行うということは非常に難しい問題です。
その場合、第三者の農業事業者に対し“農地”として斡旋がされますが、買手が必ず見つかるという保証もありません。
自治体による買取り及び斡旋が成立しなければ、不動産業者を通じ第三者へ売却することが可能となります。
土地がマンションデベロッパーや建売業者に渡れば、おそらく数年後には多くの新築マンションが建てられるでしょう。
そうなれば周囲の中古マンションの価値が下がり、売却も難しくなるだろうと予想されているのです。
後半では、2022年問題に対する政府の対策から、2023年以降の動きの予想を見ていきましょう。
小雪