こんにちは。ライターのねぎみじんと申します。
マンションを選ぶ上で築年数って大事だったりしますよね。
築年数の古い物件にもそれなりのメリットはもちろんありますが、
社会的にも建物の老朽化が騒がれる中で、
古い物件であればあるほど建物の頑丈さが心配になりますよね。
その上でみなさんは100年コンクリート、100年マンションというワードはご存知ですか?
なんだいなんだい。
なんでもかんでもインパクトの強いワードを出せばいいってもんじゃないよ、と
思われるかもしれませんが実際に使われる言葉です。
今回はそんな100年コンクリートをきっかけに、
「コンクリートについて」あれこれまとめていきたいと思います。
目次 ーtable of contents
1.100年コンクリートとは
2.コンクリートの歴史
3.現場打ちとプレキャスト

1. 100年コンクリートとは
というわけで100年コンクリートとは何だろうという話ですよね。
100年コンクリートは超高耐久性コンクリートとも呼ばれていて、
日本建築学会によると30N/mm²(ニュートン毎平方ミリメートル)以上の
耐久設計基準強度を持ったコンクリートの事を指すようです。
いや何がなんだか分かんない。
少し難しい話になりますが30Nとはコンクリート強度のことで、
1N/mm²が大体1 m²(平方メートル)あたり100トンまで耐えられるという意味です。
つまり30N/mm²の場合だと1 m²あたり約3,000トンまで耐えられるという話になります。
というわけであくまで理論値なわけですが、ざっくり言うなら、
およそ100年ぐらいは耐久性を保ってくれるレベルの強度を持ったコンクリートのことを
100年コンクリートと定めているわけですね。
そしてそんな100年コンクリートを使用して建てつつ100年住み続けられるように、
設備などにも力を入れたマンションの事を100年マンションと謳っているわけですね。
じゃあ100年持つならメンテナンスやら修繕やらも要らないだろうし全部それでいいじゃん。
と思いたくなりますが、そういうわけでもないようです。
そもそもコンクリートとは基本的に水とセメントを混ぜ合わせて作ります。
その配分が大事で、水の量を減らせば密度の濃いいわゆる頑丈なコンクリートができます。
水の量を減らすことで本来ならばひび割れが起こりやすくなるわけで、
その点をカバーする必要があるのです。
文章にすると簡単に聞こえますが、
そういったコンクリートを作り上げるにも高い技術力が必要なのでそこにコストがかかり、
一般的に普及させようにもなかなか難しいのが現状なようです。

2. コンクリートの歴史
では少しコンクリートの歴史についてもまとめてみたいと思います。
Wikipediaには
“ローマ人がヴェスビオス火山山麓にあった火山灰、石灰、砕石を混合したものが水中で硬化し、
強度を増すことに気付き、橋、水道橋、伽藍など建築物や構築物を造っていたことに始まる”
とあります。
ポッツオーリの塵と呼ばれる火山灰を主成分とする、
古代ローマ帝国の時代に使われていたローマン・コンクリートが界隈では有名なようです。
そんな昔からコンクリートがあったなんて驚きですね。
割と最近の発明なんだとばかり思っていたので。
そしてローマ帝国滅亡後の中世ヨーロッパではコンクリートは使われず石造建築が主流になり、
産業革命後に再びコンクリートが姿を現すという何とも面白い歴史がありました。
そして今なおコンクリートは進化を続けているというわけです。

3. 現場打ちとプレキャスト
現代に戻って…。
コンクリート造のマンションを建てる際に今まで現場打ちという方法が一般的だったのに対し、
技術は進化して今やプレキャストという方法を使うことで、
耐震耐久に優れたマンションを作り上げられるようになっています。
いや何それ?と思うのは当然ですので簡単に説明します。
現場打ちとは現場で組んだ型枠に生コンを流し込んで作っていく方法で、
プレキャストとは事前に工場で製造された施工に使うコンクリート部材を現場で組み立てていく方法です。
現場で生コンを流し込んで作る現場打ちと現場で組み立てるだけのプレキャストでは、
かかる時間の差は明らかですよね。
時間がかからないということはその分のコストは抑えられますし、
事前に工場で製造するということはコンクリートのクオリティも段違いというわけです。
天候に左右されたり職人の技術力によっても差が出てくる現場打ちと違って
プレキャストはなんといっても安定して高品質のコンクリート部材を用意できるというメリットがあります。
まさにプレキャストは、
コストが低くて高品質で施工も早いと三拍子揃った工法といえます。
しかし、そんなプレキャストにもデメリットがあります。
事前に製造されたコンクリート部材を組み立てるということは、
どうしても規格外の形などへの柔軟性には欠けてしまうと考えられるのです。

いかがだったでしょうか。
今回はコンクリートの少しマニアックな部分についてまとめてみました。
しかしながらマンション、特にコンクリート造のマンションにとって、
当たり前ながらコンクリートは大事な存在ですよね。
どのようにしてマンションが建てられていくのか
今一度、考えてみるのも面白いのかもしれません。





