こんにちは。ライターのねぎみじんと申します。
不動産投資にも経費は発生します。
一言で経費といっても様々なものがある中で今回は固定資産税について説明しようと思います。
経費計算はキャッシュフローや利回り、レバレッジの効果を測る時に重要です。
収支計画を立てる上でより正確に細かく算出しておきたいところです。
そんなわけで今回は「固定資産税について」あれこれまとめていきます。
よろしくお願いします。
目次 ーtable of contents
1. 固定資産税とは?
固定資産税とは「固定資産」に対して課せられる税金(地方税)のことです。
では固定資産とはそもそも何でしょうか。
それは土地や家屋、償却資産を総称したものであり、詳しくまとめると以下のようなものを指します。
東京都の主税局の内容を引用して紹介します。
【土地】田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、その他の土地(雑種地)
【家屋】住家、店舗・工場(発電所・変電所含む)、倉庫、その他の建物
【償却資産】構築物、機械・装置、工具・器具及び備品、船舶、航空機などの事業用資産で、法人税法又は所得税法上、減価償却の対象となるべき資産。
ただし、自動車税種別割、軽自動車税種別割の課税対象となるものは除く。
東京都主税局|固定資産税・都市計画税(土地・家屋)
【家屋】住家、店舗・工場(発電所・変電所含む)、倉庫、その他の建物
【償却資産】構築物、機械・装置、工具・器具及び備品、船舶、航空機などの事業用資産で、法人税法又は所得税法上、減価償却の対象となるべき資産。
ただし、自動車税種別割、軽自動車税種別割の課税対象となるものは除く。
東京都主税局|固定資産税・都市計画税(土地・家屋)
つまり、土地や住居用の建物を持っていることに対してかかる税金というわけですね。
2. 固定資産税の基準はどのくらい?
さて固定資産税について分かったところで実際にはどのくらいになるのでしょうか?
初心者の方はイメージが付きにくいと思いますので、大まかな基準をまず説明していきます。
一般的に言われている固定資産税額は、
・戸建て:10~15万円ほど
・マンション:8~12万円ほど
・マンション:8~12万円ほど
ともに新築物件の方が高くなる傾向があります。
では何によって金額が決まるのかも見ていきます。
○何の基準で決まるのか
1.個人の保有資産
固定資産を持っている数で変わってきます。
2.家の構造と広さ
固定資産税は「課税標準額×1.4%」で計算できます。
ただし課税標準額の基になる「固定資産評価基準」は建物の構造や設備の仕様、建材の種類などを加味して調整されます。
家の設備や構造が高額になればなるほど固定資産税評価基準は上がっていきます。
さらに経年劣化の少ない建材を使用すると固定資産税はより下がりにくくもなります。
3.各市町村の税率
固定資産税の標準税率は全国一律ではないので、前述した1.4%ではない地域もあります。
また都市開発を行なっている区域の不動産を保有している場合には追加で「都市計画税」が課せられるケースもあります。
都市計画税の標準税率は0.3%が最大税率となり、多くの地域で0.3%が採用されています。
都市計画税も同じく地域差があるので、そもそも都市計画税が必要な地域なのかどうかからしっかりと確認したいところです。
4.地価の変動
土地自体は経年劣化しないものなので、地価の変動によって評価額が変わってきます。
土地の値段が上がることで固定資産税は高くなることを覚えておきましょう。
逆もまた然りで土地の値段が下がれば固定資産税は安くなります。
3. 固定資産税の計算方法
それでは具体的に固定資産税の計算方法を見ていきましょう。
固定資産税は建物と土地に分かれます。
○建物
建物の固定資産税=建物の評価額×税率(標準税率1.4%)
上記にある「建物の評価額」については、家の構造や広さ・設備や経年劣化によって変わってきます。
・建物の評価額=評点1点あたりの価額×床面積×単位面積あたりの再建築費評点×経年減点補正率
よく分からない言葉が並んでいますが、「評点1点あたりの価額」とは設備によって変わる価格のことです。
また「再建築費評点」とはその建物をもう一度建築した際にかかる費用のことです。
とまぁ、何となく分かるように自分自身で細かい計算をしようと思うと専門的な知識も必要なので、購入価額の70%を建物の評価額として概算する方法もオススメです。
○土地
土地の固定資産税=土地の評価額×税率(標準税率1.4%)
「土地の評価額」は路線価によって求められます。
土地の評価額=土地の面積×路線価
「路線価」とは土地が面している路線の価値のことで国税庁のホームページから路線価図が見られるので計算する時にはぜひ使ってみてください。
国税庁|財産評価基準書
4. 新築と中古の固定資産税について
前述したとおり基本的には新築の方が評価額が高くなり固定資産税も高くなるのですが、新築に固定資産税が減額される特例措置もあります。
新築マンションの場合は5年間、固定資産税が2分の1に減額されます。
新築した住宅の場合は一定の期間内は固定資産税額が半額になります。
詳しくは国税庁のページを見てみてください。
国税庁|新築住宅に係る税額の減額措置
そのため中古の方が安いと思い込んで勘違いせずに特例措置も含めて物件ごとに冷静にきちんと吟味した方が良いでしょう。
5. 固定資産税の支払い方法
所得税は申告が必要ですが、実は固定資産税は申告する必要がありません。
一般的には市町村から年4回に分けて納税通知書が送られてくるので、記載された納付期限内に支払うようになります。
支払い方法は自治体によって異なりますが、あくまで一般的な支払い方法をまとめてみました。
○現金払い
金融機関や自治体の窓口、コンビニエンスストアに納付書を持っていき、現金で支払う方法です。
手数料もかかりませんし、領収証書をすぐに受け取ることが出来るのも嬉しいです。
しかしコンビニエンスストアでの支払いの場合、納付書1枚あたり30万円までと決まっているので額面は確認しておく必要があります。
○口座振替
納付書とともに送られてくる書面上で口座振替の手続きも可能です。
きちんと入金しておけば支払い忘れも無くなるので1番手っ取り早いかもしれません。
○ペイジー
送られてきた納付書にペイジーマークが付いていればパソコンやスマートフォン、インターネットバンキングなどを通してペイジー支払いを利用する方法もあります。
ペイジーに対応しているATMからの支払いも出来ます。
○クレジットカード払い
各自治体の専用サイトや「Yahoo!公金支払い」を利用してクレジットカード払いも出来ます。
ただし、全ての自治体というわけではないので事前に確認しておいた方が良いでしょう。
また納められる税額の上限が設けられていたり、クレジットカード会社の指定があったり、決済手数料がかかったりもします。
そういったことも踏まえてチェックしておきましょう。
クレジットカード払いならポイント付与もあるのでお得ですね。
○電子マネー・キャッシュレス決済払い
東京など、地域は限定されますがWAON、nanacoなどの電子マネーやPayPayやLINE Payなどのスマホ決済サービスを利用して支払いも出来ます。
チャージや決済の際にポイント付与が見込めるので税金を納付しながらお得を感じられますね。
こうやって見てみると、実に様々な支払い方法があることが分かります。
自分の生活スタイルにあった支払い方法を選ぶことも容易くなってきています。
いかがだったでしょうか。
今回は「固定資産税について」解説してみました。
不動産を所有するなら固定資産税は毎年かかる経費です。
そんな固定資産税には様々な軽減措置があるので上手に物件を選べば節税にも繋がることでしょう。
固定資産税は不動産投資に限らず発生することも多いので、この機会により深く勉強してみるのも良いかもしれません。