こんにちは。ライターのねぎみじんと申します。

これから不動産投資を始めようと考える人の中で不労所得というキーワードを思い描く人は多いのではないでしょうか。
いわゆる働かずして稼ぐことが目標ですよね。

そんな不労所得にもいくつか種類がありますが、例えばYouTubeやブログ、noteなどのコンテンツを作成しそのコンテンツから収入を増やしていく方法や、
個人事業を立ち上げて業務委託などを雇うことにより自分自身で働かずとも売り上げを作り出す方法、
そして株式やFX、不動産投資などいわゆる資産運用する方法が一般的です。

ミュージシャンや作家、漫画家など夢の印税生活などもあったりしますが、
なかなかに険しい道ですし好きではないとやっていけません。

ましてやこのサイトでは主に不動産投資について解説していますので不動産投資と比べやすいものでかつ不労所得と考えると、
パッと思いつくものに駐車場経営があります。

というわけで今回は「不動産投資と比べて駐車場経営はどうなのか」についてまとめていきたいと思います。
よろしくお願いします。

 


 1. 駐車場経営は土地を持っていない状態で始めるのはどうなの?


駐車場経営は管理が簡単で初期費用もそこまで必要としないことから投資初心者でもやりやすいと人気があるようです。
しかしどうしても土地を所有していないと駐車場経営は出来ないと思われがちですが、実は土地を所有していなくても駐車場経営は可能です。

もとから駐車場として貸し出している土地や更地として貸し出している土地を所有者の許可を得た上で駐車場として運用することが出来るのです。

しかしながら結論からお伝えすると、自分自身で土地を所有していないのであれば駐車場経営はあまりオススメできません。
どうしても駐車場経営をやりたい!という強い熱意があるなら別ですが、
不動産投資にも興味があって迷っているのであれば不動産投資のほうがオススメかと思います。

その理由を3つにまとめて紹介します。

○税制優遇が少ない
不動産投資には固定資産税や相続税への優遇措置があったり、減価償却を行ない所得税の軽減を行なうことが出来ますが、駐車場経営ではそういった制度がありません。

例えば、不動産投資なら建物は経年で劣化するため価値が下がった分を経費として計上できる減価償却という方法があるのですが、駐車場はあくまで土地になるのでそういった方法を利用できないのです。

○収益性が低い
不動産投資と比べて収益性が低いのもオススメできない理由の1つです。
一棟木造アパートと比較してみたいと思います。

まず条件として、東京近郊某ベットタウンの土地面積50坪で土地は既に手に入れていると仮定します。
また木造アパート建築費の融資条件は8割ローン、返済期間30年、金利2%と仮定します。

■月極駐車場
・収容規模:10台
・初期費用:200万円(土地整備費、フェンス設置など)
・月収入:10万円(1万円/1台)
・年間賃料収入:120万円
・年間返済額:なし
・1年後の収支:120万円


■木造アパート
・収容規模:6部屋
・初期費用:5,000万円(建築費など)
・月収入:42万円(7万円/1部屋)
・年間賃料収入:504万円
・年間返済額:136万円
・1年後の収支:368万円


簡単な計算にはなりますが、概算で200万円以上の収益差がありますね。

仮にローンを組んで土地を取得して駐車場経営をしたとすると、収益が少ないうえにローン返済や税制優遇が無いことも影響するのでなかなか簡単にはいかないでしょう。
よほどの都内一等地などでワンチャンあるかも…?といった具合です。

区分マンション投資と比較した場合は、収益性だけでみるなら駐車場経営の方が勝っているかもしれませんが、区分マンション投資ならば資産形成や年金対策、生命保険代わりになるというメリットもあるので一概に駐車場経営の方が良いとも言えないですね。

○場所選びが難解
駐車場経営は建物を建てるよりは準備も早く出来ますし、駐車場の少ない住宅地だったり駅近や繁華街の近くだったりと割と比較的適している土地というのが狙いやすいイメージがあります。

逆に言うならば、駐車場経営を行なおうとするライバルも同じなので、知識が浅い段階で手を出した土地が適した土地ではなかったとなる可能性も十分にあり得ます。

例えば、他の経営者が付近の土地に安く利用できる駐車場を作ったり、はたまた安く停められる立体駐車場などが出来てしまうと更地の駐車場の需要は一気に少なくなってしまいます。
また車上荒らしが付近で頻発すれば、ほとぼりが冷めるか駐車場のセキュリティ強化を行なうまで駐車場の契約を解約されてしまったり新規の契約が付かなかったりすることも考えられます。

つまり駐車場経営は環境変化の影響を直ちに受けやすいので「ここならいけるぞ!」と思った場所だったとしても、数年の間に経営が難しくなるといった可能性も珍しくないというデメリットもあるわけです。



 2. 駐車場経営のメリットは?


というわけで土地が無い状態で駐車場経営をするにはどうなんだろうという話ですが、もし何にも使っていない土地を所有しているのであれば土地代がかかるわけでもないので駐車場経営にチャレンジしてみても良いかもしれません。

土地を所有している場合に駐車場経営を行なうメリットを考えてみましょう。

○土地の有効活用になる
まず何と言ってもこれですね。
使用していない土地を所有していてかつその使い道に困っているのであれば収益源になる可能性もあるわけなので有効活用できるといえます。

所有している土地を今後売却するべきか何か活用するべきかと迷っているのであればひとまず駐車場として運用して収益を目指すのがオススメです。

万が一、事情が変わって駐車場経営をやめたいとなった場合でも建物を壊したりする必要が無いので転用しやすいため安心です。

○不動産投資よりも初期費用がかからない
そしてもう1つ、初期費用がかからないというメリットです。

まず土地を所有しているのであれば土地を購入する費用はかかりませんよね。
駐車場にするならマンションなどを建てるよりもはるかに初期費用は抑えられます。

費用の目安もまとめてみます。
・整地、アスファルト塗装:4,000~5,000円/㎡
・精算機の設置:40~50万円/1台
・ロック板の設置:約10万円/1台
・看板、照明などの設置:15~20万円


10台くらい車を停められる規模の駐車場を作るとしてもローンを組まずに一括で払うのも難しくは無いですし、マンションやアパートなど建てるより断然安いです。



 3. 駐車場経営する場合の注意点


では最後に駐車場経営をする場合の注意点についても考えておきましょう。

○参入障壁が低いので競合が現れやすい
前述したように駐車場経営では初期費用もそこまでかからないのでライバルが近くに駐車場を作ることも多々あります。
そのため価格競争が発生してしまうかもしれません。

需要のありそうな土地であればあるほど競合が現れやすいので注意が必要です。
考えることはみんな一緒なわけですね。

○駐車場ならではのトラブルもある
何にでもトラブルは付き物ですが、もちろん駐車場ならではのトラブルもあります。

利用者のトラブルとして駐車場の利用料金を滞納されたり、指定場所に駐車しないなど不正駐車をされたり、無断駐車なども考えられます。

また利用者なのか通りすがりの人なのかもしれませんが、不法投棄の標的になる可能性もあります。
付近に商業施設が多い場合は特に注意が必要でしょう。

他にも、車が関わるので駐車場内の事故や車上荒らしなどの犯罪リスクもありますし、そうでもなくても騒音や排気ガスにより近隣からの苦情が入ったり、防犯の不備によるクレームなどの対処や対策も必要です。


駐車場経営は参入しやすいとはいえデメリット部分や運用における事前知識などしっかりと勉強した方が良いでしょう。



いかがだったでしょうか。
今回は「不動産投資と比べて駐車場経営はどうなのか」についてまとめてみました。

自身で土地を所有していないのであれば駐車場経営をわざわざ選ぶ利点は少なく不動産投資のほうが良いかもしれませんし、
土地を所有しているのであれば「空き地を持て余すくらいなら利益が出るかもしれないしひとまず駐車場にしてみたらどうだろう」と考えるのは良いかもしれませんね。

とはいえ駐車場経営ならではのトラブルや税制優遇も弱いため手軽に出来るからと思い込み過ぎて何も考えずに手を出してしまうと痛い目を見るかもしれません。

駐車場経営にせよ不動産投資にせよ、何にでも勉強は大事という事ですね。