こんにちは。ライターのねぎみじんと申します。

区分マンションは不動産投資の中でも収益性が低いと見られがちです。
もちろん長期的に見れば安定しているといえますし、老後の備えにもしやすいため、
収益性が低いからといって一概に悪いとも言えません。

区分マンション投資でも少しやり方を工夫することで、
ある程度の期間はかかるものの収益性が高くなるだろう一例を紹介したいと思います。

 注)これから紹介する例は区分マンション投資の考え方の一例として、
簡単な計算や細かい経費などを省き全て上手くいった場合での例となります。

そもそもの区分マンション投資について事前におさらいしたい方は以下の記事を参考ください。

    不動産投資

意外と敷居が高くない?投資デビューにおすすめの区分マンション投資!【超初心者シリーズ】



 


 


 1. 1部屋目:物件価格・返済額・管理費、修繕積立金


それではさっそく考えてみましょう。

まず区分マンション2,500万円を例にしてみます。
都内立地の良い物件で家賃9万円だとしてあなたが無借金であれば、
場合によっては2,500万円ほどの不動産ローンを組むことも可能です。
その際、金利は安くて1.6~1.7%くらいになる場合があります。

35年ローンを組んだ場合の簡単な例で見ていきましょう。

物件例
・物件価格:2,500万円
・家賃:90,000円
・ローン返済:毎月79,000円
・修繕積み立て管理費:10,000円


 となり、家賃-毎月のローン返済+修繕積み立て管理費で、
90,000円-(79,000円+10,000円)ですので、なんと…
収益は1,000円となります。

毎月毎月1,000円の収益であなたも晴れて富豪の仲間入り!とはなりませんよね。分かります。
いや、1,000円のためにわざわざ物件買うってこと?収益低すぎ!と思われるかもしれません。

もちろんこの1部屋だけでもメリットはあります。

まずは言葉を選ばず言わせてもらうならば、
人のお金(不動産ローン)で都内の好立地に物件を購入できて、
人のお金(家賃収入)でローン返済に充てつつ修繕費用を貯められて、
さらに区分マンションという事は物件管理もプロに任せることができるわけです。

ここまで人の力だけで収益を得られてプラスになるというのは大きなメリットといえるのではないでしょうか。

さらに契約者が万が一死亡したり重度の障害を負ってしまった場合、
ローン契約時に加入する団体信用生命保険によってローンが無くなり、
その後の家賃収入が家族の元に入ることになります。

将来ローンを返し終わりさえすればその後は年金+家賃収入が入ると考えると、
老後も手厚く安心できますよね。

不動産投資、家賃収入において経済状況によっては家賃の下落が心配という声もあるかと思います。
しかしながら都内の好立地であれば多少の家賃の下落はあったとしても大きな下落にはなりにくいと現状では考えられています。

    不動産投資

【初心者シリーズ】区分マンション投資はなぜ東京(23区)がオススメ?



こういった数々のメリットは区分マンションの代表的なメリットだったりします。

それではここからもう一歩、玄人向けの運用方法をご紹介します。



 2. 約10年の間に運用実績を蓄えておき複数の区分マンションを所持


ここからが難しいポイントにもなりますが、
1部屋目を購入してから大体10年ほどの間で2部屋目を購入します。

その際、この時点ではまだ資金的にローンが必要だと思いますので当然審査を受けることになりますよね。

金融機関としては2件目以降の融資は貸し倒れのリスクが増えるわけなので、
特に1件目のローン残債がある状態では融資審査が厳しくなるのはイメージしやすいと思います。

・1部屋目の運用が良好である
・1部屋目のローン返済状況が良好である
・自身の属性、健康状態が良好である

この辺りのポイントに気を付けておけば2部屋目以降のローン審査も突破できる可能性は上がります。

○1部屋目の運用が良好である
お金を貸す立場になって考えてみれば分かりやすいかもしれませんが、
既に運用中の1部屋目が順調であれば今後も収益化が見込めるので印象が良くなります。

物件購入時に組む収支計画通りに進んでいれば良いですが、必ずしもそうとは限りません。

もし空室になっているようであれば積極的に入居者を募り、
空室率や経費率を抑えて融資審査を受けたほうが良いでしょう。

○1部屋目のローン返済状況が良好である
1部屋目のローン返済が滞っているのに2部屋目に関してお金を貸したいと思うでしょうか?

しっかりと1部屋目の返済が滞りなく進んでいることが望ましいです。
といっても、ちゃんと1部屋目の運用が良好で本業の収入も問題なければ、
基本的にローン返済が滞ることはないかと思います。

1度でも支払いが滞ってしまっていると、しっかりとした事情が無い限りは、
2部屋目への融資を受けるのは至難の業ですので、滞りはゼロでいきたいですね。

○自身の属性、健康状態が良好である
ローンを組む際に団体信用生命保険に加入することが多く、
加入するためには自身の健康状態が良好である必要があります。

そのため2部屋目の融資を受ける時点で健康状態も気にした方が良いでしょう。

またローン審査には自身の属性いわゆる、
年齢、職業、勤務先や雇用形態、勤続年数や年収、他者からの借り入れ状況なども重要です。

こういった健康状態や属性の比較を避けるために融資を受ける金融機関を変える方もいますが、
金融機関を変えることで「なぜ金融機関を変えたのか?」と逆に審査が厳しくなる可能性が高いです。

なので金融機関はなるべく変えない方が良いといえるでしょう。

これら3つの良好を抑えておけば2部屋目以降のローン審査も通りやすくなるでしょう。

また区分マンションの立地は好立地であることはもちろんですが、
1部屋目とは違う場所で購入するのをオススメします。

なぜなら立地を分散させることでリスクも分散できるからです。
入居率を上げるために狙っていた近隣の企業が移転したり学校が移転したりなど
購入した物件における需要低下リスクを分散できるわけですね。

区分マンション投資なら1棟買い投資と違ったメリットになり得ます。
1棟買い投資の場合は立地が1箇所固定になるわけなので、
こういった立地によるリスクを分散させることができません。

しかし2部屋目以降の購入タイミングというのはなかなかに難しい部分もあるので、
不動産会社に相談してみるのも良いかもしれませんね。

仮に全てが順調に進んで10年ほどの間でかつ早い段階で1,800万円くらいの物件を、
2部屋購入し計3部屋所有できたと仮定して次の話に進みます。



 

 3. 頃合いを見て売却し次のローテーションを組む


都内好立地で住宅を持っていれば10年後に物件価値が上がったという話も珍しくありません。

仮に最初の条件が変動しなかったと仮定して、10年運用したとしましょう。
1部屋目のローン残債は金利1.6~1.7%だとしてシンプルに計算すると約1,900万円となります。

もし物件価格も変動が無かった場合に、ここで物件を売却したとすると
2,500万円-1,900万円=600万円の含み益となります。

この間、もちろん自分自身で支払った金額はゼロです。
前述したように入居者の家賃からローン返済や修繕管理費を賄えるからですね。

この時点で600万円儲かっているからと嬉しくなるのはまだ早いです。
ポイントはここからなんです。

他の2部屋も売却しちゃうんです。

もちろん購入のタイミングにもよりますが3部屋合計の含み益で、
ある程度まとまったお金があるはずですよね。

そのお金と自己資金を使ってローン無しで新しく1部屋目を購入します。
始めに説明したものと同じような条件の区分マンションを選びましょう。

するとどうでしょうか。
前述した条件をもう一度見てみます。

○条件
・物件価格:2,500万円
・家賃:90,000円
・ローン返済:毎月79,000円
・修繕積み立て管理費:10,000円

ローン無しでこういった条件の物件を購入したとすると、
この中からローン返済額が無くなるわけなので、毎月8万円ほど年間で100万円弱の収益となります。

入居者さえいれば自動運用で年間100万円弱が直で収入となるわけなので、
このまま運用を続けても良いですし、同じようにまた2部屋目、3部屋目と購入し
10年運用後に売却と同じように繰り返すことで資産は増えていくわけです。

20代のうちに始められれば単純計算で3サイクルしたとしても50代、30代で始めても60代です。
どうしても最低10年は運用した方が良いので年齢に余裕があるうちにやっておきたい内容です。



いかがだったでしょうか。
今回の記事どおりに進んだとすれば資産形成は大成功といえるでしょう。

とはいえ、あくまで最初の段階で無借金かつ低金利でローンを借りられた場合の話です。
計算もざっくりとしているので、細かい経費を加えると毎月多少の赤字が出る可能性もありますし、
金利の変動や物件価格、家賃の変動も発生する可能性はあるので机上の空論に思えるかもしれません。

しかし区分マンション投資への考え方、その可能性として参考になればと思います。

ぜひこういった仕組みが作れるように自分自身の勉強を行ない、
信頼できる不動産会社を選んで相談してみてください。