こんにちは。ライターのねぎみじんと申します。
今回は不動産投資における資格について考えていきます。
とはいえ結論から言わせてもらうならば、
不動産投資を始めるにあたって資格は必要ありません。
不動産運用をすると想像した時にちょっとした専門職のようなイメージを持たれる方がいるかもしれませんが、
実際には特別な資格などを持っていなくても運用することは可能です。
しかし、不動産投資をするには情報収集やとっさの判断力が必要です。
そういった情報収集するためにも、自分自身である程度の判断を行なうためにも、
さらには悪質な不動産会社の口車に乗せられないためにも、勉強はした方が絶対に良いでしょう。
どうせ勉強するなら資格も取ってみたい!という方や、
体系的な勉強がしたい!という方に向けて、
今回は不動産投資を行なうにあたっての
「あると役に立つオススメ資格」を紹介していきたいと思います。
1.宅地建物取引士
2.ファイナンシャルプランナー
3.サブリース建物取扱主任者
4.ホームインスペクター(住宅診断士)
5.不動産鑑定士
6.投資不動産取引士
7.公認不動産コンサルティングマスター
8.簿記
9.不動産実務検定
10.賃貸不動産経営管理士
1. 宅地建物取引士
不動産の売買や賃貸物件のあっせんをする際に必要な資格で通称「宅建」と呼ばれています。
不動産売買・賃貸取引の専門家であることを証明する国家資格です。
合格率は約18%となかなかに難しいですが、この資格を勉強しておくだけでも、
不動産取引に関する基本的な法律や税金知識を一通り身に付けることができるでしょう。
また物件購入時に確認することになる「重要事項説明書」は、
初心者にはさっぱり分からない専門用語だらけだったりします。
重要事項説明書の内容が理解できれば不動産を購入する際に正しい判断ができるでしょう。
参考リンク:一般社団法人不動産適正取引推進機構|宅建
2. ファイナンシャルプランナー
「FP」と略されるファイナンシャルプランナーは、
人生の夢や目標を現実として叶えるために総合的に必要な資金計画を考えてサポートする専門家です。
まさに家計管理から資産運用までお金にまつわる部分で役に立つ資格といえます。
金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度、そして相続に関する知識まで幅広く学べます。
国家資格のファイナンシャル・プランニング技能検定は1~3級まであって、
合格率は3級で約50%、2級で約30%、1級で約10%と難易度が変わります。
また3級は誰でも受験できますが、2級を受けるとなると、
3級技能検定の合格者もしくは2年以上FP業務実務を経験した人でないと受けられません。
不動産投資に活かしたいというだけなら3級と2級まで勉強すれば、
キャッシュフローの改善や資金計画の見直し、またローン借り入れ時などで、
お金全般の知識を活用できるでしょう。
参考リンク:一般社団法人 金融財政事情研究会|試験結果:2022年5月試験
3. サブリース建物取扱主任者
サブリース契約に関する知識やサブリースを利用した賃貸経営の手法を学べる民間資格です。
特に試験は無く、講習を受講してレポート提出を行なうだけなので、
割と取得しやすい資格といえるでしょう。
そもそもサブリース契約とは簡単に言うなら転貸(又貸し)契約のことです。
本来はオーナー自ら物件管理をするところを1度サブリース会社に物件を貸すことで、
管理会社が管理してくれるため手間が省けるというメリットがあります。
より詳しく知りたい方は以下の記事を参考してみてください。
この資格を勉強すれば区分マンション投資など、
サブリース契約を結ぶ際の契約書内容に関して問題が無いか判断しやすくなります。
契約期間を過ぎると家賃保証が受けられなかったり、
簡単にサブリース契約を解約できない仕組みになっているケースが多かったりと
サブリース契約にも当然メリットもあればデメリットもあります。
デメリットを上手く隠して営業してくる不動産営業者も存在し得るので、
こういったサブリースに特化した資格を勉強しとくのはオススメです。
参考リンク:NPO法人日本住宅性能検査協会|サブリース建物取扱主任者
4. ホームインスペクター(住宅診断士)
住宅の劣化状況や不具合の有無、改修すべき箇所や時期、概算費用などを判断して、
アドバイスを行なえるようになる資格です。
特に中古物件などを選定する際に活用できますね。
物件購入時の劣化具合を判断できるのはもちろんですが、
メンテナンス時期や修繕費用の目安を判断できるようになれば先を見据えたプランを立てやすくなります。
合格率は約30%となりますが、
建物構造の知識も必要ですので土木建築関係の職種同等のレベルまで求められます。
無理に合格を目指さなくても勉強することで知識が身に付くだけでも十分効果的でしょう。
参考リンク:NPO法人日本ホームインスペクターズ協会|ホームインスペクターになるには
5. 不動産鑑定士
不動産の経済的価値を鑑定する専門家です。
合格率はなんと約6%で、
実は弁護士や公認会計士と並ぶ三大国家資格として有名な資格です。
不動産鑑定士の資格があれば、
地域の環境や諸条件を考慮して不動産の適正価値を判断できるようになります。
建物だけではなく土地を含めて資産価値を見極められるので、
物件選定時にも十分すぎるほど役に立つでしょう。
ただし資格の難易度は高いので、不動産鑑定士を目指すわけではなく、
片手間に取得しようとするのは非常に困難だと思います。
参考リンク:国土交通省|不動産鑑定士
6. 投資不動産取引士
まさに投資用不動産の取引に特化した民間資格です。
投資用不動産の売買や仲介に関する関連法規や税金、建築に関する基礎知識、
そして実務上の基本的な知識を得られます。
投資用不動産の売買や仲介時に交わす契約内容を理解し正しい判断が行なえるようになり、
物件選びや税金関係、さらに資金計画を立てる際にも役に立つことでしょう。
参考リンク:一般社団法人 投資不動産流通協会|投資不動産取引士について
7. 公認不動産コンサルティングマスター
宅建の上位資格ともいわれている公認不動産コンサルティングマスターは、
不動産投資に関する取引全般に活用できる資格です。
資格自体を取得する場合、
宅建・不動産鑑定士・一級建築士の有資格者かつ実務経験が5年必要など、
必要条件が多く取得難易度の高い資格といえます。
宅建の取得で満足せずさらなる知識や能力を求めるならぜひ目指したいものですね。
参考リンク:公益財団法人 不動産流通推進センター認定資格|公認 不動産コンサルティングマスター
8. 簿記
資格の中でもメジャーともいえる簿記は帳簿付けに関する実務処理を学べる公的資格です。
不動産投資では収入や支出を帳簿付けし決算書を作成して確定申告をする必要があり、
帳簿や決算の知識があれば毎年行なう確定申告もスムーズに行なえるでしょう。
またキャッシュフロー表を正しく読めるようにもなり、
実際のお金の動きと帳簿との違いをしっかりと見極めキャッシュフローの改善にも役立ちます。
簿記には1~3級まであり、
合格率は3級で約30~50%、2級で約15%~30%、1級で約10%です。
あくまで不動産投資に対して役立たせる程度なら簿記3級だけでも十分効果的だといえるでしょう。
参考リンク:商工会議所|簿記
9. 不動産実務検定
簡単に言うならば大家さんになる上で必要な知識や実務の流れが理解できる民間資格です。
元々は大家検定と呼ばれていた資格で合格率は約70%だといわれています。
まさにこれから不動産投資を始めようと思っているならオススメです。
何から手を付けていいか分からない中で不動産投資に関して、
どんな知識を身に付け、何をしていけばいいのかが理解できるようになるはずです。
特に1棟投資における経営の初期部分と実務全般に活用できるでしょう。
賃貸管理運営の実務や入居者募集のノウハウ、物件契約の知識からトラブル対応や高齢者対応、
さらには人口動態や需要予測に至るまで幅広く不動産投資に大切な知識を得られます。
参考リンク:日本不動産コミュニティー
10. 賃貸不動産経営管理士
2021年から国家資格となった賃貸不動産経営管理士は、
マンションやアパートなど賃貸住宅・賃貸不動産の管理に関する専門家です。
自分自身で不動産を管理しようとしている方にはうってつけの資格です。
合格率は約31%といわれています。
不動産管理に関する知識はもちろん、空き家対策や、
物件居住者視点での生活に関する管理知識も学べるため、
物件居住者の満足度を底上げ出来るような対策も行ないやすくなり、
大家さんとしてのスキルアップも期待できると言って良いのではないでしょうか。
前述の不動産実務検定と同じように
これからマンションやアパートで不動産投資を始める初心者の方には特にオススメの資格です。
参考リンク:一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会ウェブサイト|賃貸不動産経営管理士
いかがだったでしょうか。
今回は不動産投資における「あると役に立つオススメ資格」についてまとめてみました。
冒頭でもお伝えしたように、
不動産投資を始めるにあたって必ずしも資格が必要というわけではありません。
しかしながら、何も勉強せずに不動産運用を始めるのは無謀だともいえます。
少なからず勉強は必要なので、どうせ勉強するならば、
今回オススメしたような各資格を目指しつつ知識を深めていくと効率的なのかもしれません。
中には合格率の低い取得するのが難しい資格も存在します。
もし勉強した結果、資格を取得できなかったとしてもそれまでに得た知識は今後、
不動産投資を行なうにあたって何かしらの役に立つはずなので、
何から始めたらいいか分からない方はぜひ参考にしてみてくださいね。