こんにちは。ライターのねぎみじんと申します。

たくさんの単語があって非常に難しく感じてしまうのが不動産投資です。
というわけで不動産投資単語解説と題して、色々と不動産投資における用語やポイントなどをまとめていきます。

2度目の今回は「ローン・お金の流れ編」です。
不動産投資は運用開始時にかかるお金が全てではありません。
物件購入後のお金の流れも重要です。

お金の流れの予測を見誤ってしまうと、いざという時に手持ちが無くて自己資金をたくさん使用しないといけないとなったら大変ですよね。
ということでお金の流れ(いわゆるキャッシュフロー)における重要な単語をまとめてみました。
よろしくお願いします。

 


 1. キャッシュフロー


キャッシュフローとは、お金の流れ自体の事や実際に手元に残る現金のことを指します。
主に家賃収入や経費などを計算し、どれだけ手元にお金が残るかを図る言葉です。

このキャッシュフローは何かあった時のために出来る限り多く残しておくのが重要です。

一言でキャッシュフローといっても税引き前キャッシュフローと税引き後キャッシュフローという2種類があります。
税引き前キャッシュフローでは課税対象額が分かって、税引き後キャッシュフローでは実際に残る手元の金額が分かります。
不動産投資を行なう上でどちらも重要な指標ですね。

それぞれの計算方法は以下の通りです。
○税引き前キャッシュフロー
=家賃収入-必要経費(管理費+修繕積立金+固定資産税+都市計画税+清掃費)-購入時の諸費用(登録免許税、不動産取得税、各種手数料等)-減価償却-返済利子


○税引き後キャッシュフロー
=税引き後利益-返済元本+減価償却費


より詳しい計算や何のために行なうのかなど詳しくは以下の記事を見てみてくださいね。

    不動産投資

キャッシュフロー解説!税引き前、税引き後利益と税引き後キャッシュフローとは



 

 2. 各種税金について


キャッシュフローの計算をする際に、実際どのくらい税金がかかるのか事前に理解しておいた方がより正確な計算が出来ます。

主な税金としては以下の通りです。
・不動産取得税
・登録免許税
・印紙税
・所得税(+住民税)
・固定資産税(+都市計画税)
・相続税
・個人事業税
・消費税


これらの税金について、簡単に概要といくらかかるのかを以前まとめてみましたので以下の記事を参考にしてください。

    不動産投資

不動産投資でかかる主な税金の種類と金額感は?



 


 3. 不動産投資ローンの利子について


不動産投資はローン利用して始める方が多いので利子についてもキャッシュフロー計算には重要です。

利子の返済方法にも2種類あって元利均等返済と元金均等返済といいます。

○元利均等返済
返済期間中、毎月の元金と利息を合わせた返済額を同じ額にして返済する方法です。
毎月同じ額を返済していくことになります。

返済当初は返済額に占める利息の割合が大きく、返済が進むにつれて徐々に元金の返済割合が大きくなっていきます。
つまり返済当初はローンの元金が減るスピードが遅く、返済が進むと徐々に元金の減少スピードが速くなっていくわけですね。

○元金均等返済
返済期間中、毎月の元金部分の返済額を常に一定にする返済方法です。
前月のローン残高に対して利率を乗せて計算し返済します。
毎月減っていく残高に対して利息をかけて計算するので毎月の返済額が異なります。

返済当初は返済の進んでいないローン残高に対する利息が高く返済額が大きくなります。
しかし返済が進むにつれてローンの元金が減っていき利息が少なくなるため返済総額も減少していきます。
ローン元金の減少スピードが一定であるため結果的には利息の発生も抑えることが出来ますね。

それぞれ毎月の返済額や最終的な返済額にも差が出ますし、メリット・デメリットもあるので自身の境遇にあったものを選んでいきたいものですよね。

それぞれの差やメリット・デメリット、返済額、計算例などは以下の記事でまとめていますので気になる方はどうぞ。

    不動産投資

【不動産投資ローン】結局、元利均等返済と元金均等返済はどっちがいいの?



 

 4. 借入返済の安全性の指標K%


キャッシュフローの計算をした際に、あまり手元に現金が残らないようであれば借入額を変更するのも1つの手かもしれません。
K%という指標を使用して借入額が安全かどうかの目安にしてみるのがオススメです。

K%とはローン残高に対する年間返済額の割合で、計算方法は以下の通りです。
K%=借入の年間返済額÷借入残高×100(%)


これでK%は算出できるとはいえ、物件の利回りと比較する必要はあります。
詳しくは以下の記事をぜひ読んでみてください。

    不動産投資

そんなにローン組んでも大丈夫?借入返済の安全性の指標K%とは


 


 5. 空室はどのくらいまであっても大丈夫かの指標、損益分岐入居率(BER)


不動産投資においてどれだけ対策をしてみても発生する可能性があるのが空室リスクです。
空室になるとダイレクトに家賃収入が入らなくなるので収益が減ります。

理想は空室ゼロですが、実際そう上手くいかないこともあるのが現実です。
ではどれくらいまでなら空室があっても大丈夫なのか事前に分かっておきたいですよね?

そういった時に使える指標が損益分岐入居率(BER)です。

ここでは算出方法を紹介します。
運用時の損益分岐点となる入居率=運用時の支出÷満室家賃収入


より詳しく知りたい方は以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。

    不動産投資

空室って実際どのくらいまで許容できる?損益分岐入居率(BER)とは


 

 6. 不動産投資の指標「イールドギャップ」


イールドギャップとは、投資総額に対する年間収入の割合を示す「利回り」と借入総額に対する年間返済額の割合を示すローンとの差を求めた指標です。
つまり物件の収益と返済のバランスを見る値となります。

物件選定もさることながらローンをしっかりと活かせているのかどうかの指標になります。
せっかくローン利用しているのであれば最大限効率的に活かしていきたいですよね。

イールドギャップを覚えることで物件選定時の参考やキャッシュフローの予測、そしてローンをしっかり活かせているかの指標などに活用できます。
不動産投資においては主に「投資物件の実質利回りとローン定数との差」を指します。

計算方法は以下の通りです。
・実質利回り=年間総収入-各種費用)÷不動産購入額×100(%)
・ローン定数=ローン年間返済額÷ローン残高×100
・イールドギャップ=実質利回り-ローン定数


イールドギャップがプラスの場合は、ローン返済を除いても収益が上がる投資と判断することが出来ます。
一方でイールドギャップがマイナスだった場合は、ローン返済とのトータルでは収益が期待できない投資と評価することになります。

またイールドギャップが大きければ大きいほどレバレッジ効果が大きい=融資を受けて効率的に投資を行なっているということが分かります。

少し難しい概念ではあるので詳しくは以下の記事を見てみてください。

    不動産投資

利回り?長期金利?不動産投資の指標イールドギャップとは


 


いかがだったでしょうか。
今回は覚えておきたい不動産投資単語解説として「ローン・お金の流れ編」でした。

手元に残る金額の計算や考えについてまとめてみました。
結局のところ手元に残る金額が少ないとなんだかんだでトラブルが発生した際に生活費や貯金から捻出しなくちゃいけなくなるので手元に残すお金は多いに越したことはないのかもしれません。
ぜひ参考にしてみてください。